ガツンと言いたいけどなかなか言えない。「真相チェイス!直撃御免」コーナーで、新入社員との関係に戸惑う上司たちの姿を荘口彰久リポーターが取材した。
東京・新橋の飲み屋街の中年サラリーマンは、「自分の上司は10歳年下。でも、話をするときはいつも敬語。ちょっと、いいかなという呼びかけから始まります」と話す。別の中年サラリーマンは「上司の威厳を見せようとしても、今の若い人には通じない。なかなか難しい」と嘆く。
「ガツンと言いたいが、すぐ辞めちゃうからね」
荘口は職人技が求められる足立区の自動車販売・修理会社に向かった。この春に入社した瀧口和也さんを指導するのは、技術部門責任者の稲積作美さん(57)だ。稲積さんは「私たちの若い頃は、先輩から手を上げられて仕事を覚えたものでした」という。ならば、稲積さんも瀧口さんに時には手を上げることもあるのか。タイヤのホイル付けに手間取る瀧口さんに我慢できなって大声を上げるが、その直後に2人は休憩室いき、稲積は「作業手順は家に帰ってからも復習してよ」と諭した。稲積さんは「(瀧口さんに)残って欲しいですね。若い人はちょっと大声を上げると辞めてしまう人が多いから。我慢の2文字ですね」と語った。
ソーシャルマーケティングなどいまどきの会社はどうなのか。新人の新井正貴さんは灘高から東大へというエリートだ。指導する石井泰輔さん(42歳)は高卒でこの道20数年というベテランシステムエンジニアである。新入社員についての社内打ち合わせで、石井さんは「技術的な問題で彼とぶつかることはないと思う。でも、お客さまをいかに喜ばせるかでぶつかるかもしれない」と話した。