「鉄の女」といわれたイギリスのマーガレット・サッチャー元首相がきのう8日(2013年4月)、脳卒中で亡くなった。イギリス中東部の雑貨商の娘に生まれ、初の女性首相として英国病を建て直し、自らの信念を貫いた87年の生涯だった。
「魔女が死んだ」英国ではダンス踊る若者。失業と格差の元凶
「先進国復活のモデルをつくった」。第一生命経済研究所の嶌峰義清・首席エコノミストは政治家サッチャ―をこのように評価した。規制緩和や民営化を断行、停滞する経済から脱却を図った。外交面では、レーガン大統領とともに共産主義に対して強硬な姿勢を貫き、フォークランド紛争では躊躇せず艦隊を差し向けた。「自分が不人気になるからといって信念を変えるな」という父の教えを守った。半面、サッチャリズムによって300万人の失業者を生んだと批判を浴び1990年、11年半務めた首相の座を降りた。
来週、国葬と同じクラスの葬儀が行われる予定だ。多くの市民が死を悼むなか、「魔女が死んだ」という看板を掲げてダンスをする若者のグループもあった。コメンテーターの竹田圭吾(国際ジャーナリスト)は「ボロボロのイギリスを立て直したことは間違いないが、サッチャ―時代に格差が生まれたことも確か。負の遺産は今も続いている」とみる。水曜日のコメンテーター、デーブ・スペクター(テレビプロデュサー)が出演して「イギリスでは7割が政策を支持していないが、ブレないところが最高に評価されている」とイギリス国民の心情を紹介した。
日本に女性首相いつ生まれる?
女性の生き方にも影響を与えた。アメリカのオバマ大統領は「私たちの娘に対して、ガラスの天井はないという模範を示した」とコメントし、サッチャ―をモデルにした映画でサッチャ―を演じた女優のメリル・ストリープは「世界中の女性たちにお姫様になることだけが女性の夢ではないことを教えた」と讃えた。
宋美玄(産婦人科医)「日本にはまだ女性首相の気配もありませんね」
キャスターの小倉智昭「一時期、一見強そうな女性総理候補もいましたけどね」
田中真紀子のことだろう。女性知事はぼつぼつ出てきているが、日本版サッチャ―が現実となる日は予測がつかない。