東京電力福島第1原発の放射能汚染水の貯水槽がら大量の漏水があることがわかった。5日(2013年4月)には総量120トンとされたが、7日には別の水槽からも漏れていることがわかり、漏れた総量は167トン、放射線量は7100億ベクレルという。
止める手立てなく移し替えだけ
この汚染水はメルトダウンした燃料を冷やした水だ。セシウム吸着装置で処理しているが、なおストロンチウムなどが含まれる高濃度汚染水である。貯水槽は地面を掘り下げてコンクリートなどを混ぜたもので土台を造り、粘土質シートと2重のポリエチレンシートを重ねたプールで、カバーがかかっている。
敷地内に7か所あり、漏れが見つかったのはNo2とNo3で、ポリエチレンに何らかの損傷が生じたものらしく、シートとシートの間の水が高度に汚染されていることが判明して漏水がわかった。海岸までの距離は約800メートルあり、海の汚染にまではいたっていないと東電はいっている。
問題はいまも漏れ続けていて止める手だてはないということだ。東電は最初に漏れが見つかったNo2貯水槽の水を別の水槽に移す作業を始めている。
前田典子(モデル)「この水は毎日増えているんでしょう?」
青木理(ジャーナリスト)「溶けた燃料は冷やし続けないといけないから、1日400トン。ドラム缶で2000本分になります。ボクらは原発事故がなお進行形であることを忘れがちになるが、先日のネズミがかじった事故でも明らかなように、終わってないんだとメッセージを伝えているような感じがしますね」
構造上の原因なら他の5つの水槽も漏れてる可能性大
赤江珠緒キャスター「構造上の問題があるんじゃないかと思わざるを得ませんよね。シートだなんて…」
石原良純(タレント)「10年、20年経ったときに劣化もするだろう」
青木「毎日確実に増えていくものだから」
目下の貯水のキャパシティーは32万トンで、うちすでに27万トンが埋まっている。秋には45万トンまでキャパが増え、2年後にはさらに30万トン ができる。
司会の羽鳥慎一「いたちごっこみたいな。全部、構造は同じなんでしょう。ということは他でも可能性があるということですよね」
青木「こういう現実を忘れないようしないといけない」
汚染水漏れを明らかにした最初の会見は6日未明だった。新聞の締め切りぎりぎりで小さな扱い。続報も控えめな扱いが続く。こんな風に慣らされてしまうのが怖い。