日中共同水域とり尽くして、次ぎに狙う尖閣海域
山田吉彦・東海大学教授は「中国は沿岸部を獲り尽くして、共同水域からさらに出ていこうとしている」という。共同水域を南へ出れば尖閣の海だ。舟山市の虎網漁船の船長はこともなげに言った。「これからは尖閣の北の海域へ行く」。彼らには儲るかどうかだけだろうが、尖閣諸島へ踏み込むとただの魚の話ではなくなる。
山田教授はこの海域での漁業資源の現状が不確かだと変ないい方をした。「ん?」と思ったら、「離島では魚は売れない」というのでわかった。 消費地との距離だ。いかに漁場が豊かでも、本土の流通に乗らなければいけない。漁船は本土に着かないとダメだ。
あらためて地図を見る。中国漁船は明らかに大きく日本近くまで来ている。共同水域北部の真ん中が日中の等距離だ。それより南だと日本本土より中国の方が近い。この地域が背負っている距離のハンディの大きさ。それはまた政治の距離でもあるとあらためて思う。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2013年4月4日放送「国境の海で魚が消える~追跡 中国虎網漁船~」)