ひと言だけいわせてほしい。長嶋茂雄に国民栄誉賞をあげるという。ふざけるなである。それも松井秀喜と一緒にというのだから呆れて口が塞がらない。国民栄誉賞第1号は、1977年、本塁打世界記録を達成した王貞治である。本来なら、日本のプロ野球を王と一緒にリードしてきた長嶋も同時に受賞させるべきだったのだ。しかし、ときの福田赳夫総理が判断ミスをしたことで、長嶋の栄誉を称える機会を逸してしまった。あとは美空ひばりや大鵬のように、亡くなったあとに授与するのだろうと大方の人は考えていたはずである。
残念なことに、国民栄誉賞はときの権力者のオモチャになり、在任中の恣意的なイベントとなり、私から見て、もらうべきではない人や団体に次々に受賞させ、賞の権威を貶めてしまった。
今回の安倍首相の推薦の言葉は「戦後最大のスーパースター」だからだそうだが、なぜいまなのか。なぜ松井秀喜と同時なのか。まったく理解できない。松井よりも日本人選手が大リーガーへ挑戦する道を切り開いたパイオニア・野茂英雄にこそあげるべきではないか。長嶋にふさわしいのは、彼が亡くなったとき、ときの首相が音頭をとって「国民葬」にすることである。
臭い飯は昔の話…うまくてメニュー豊富「食物繊維いっぱい、塩分控えめ、低カロリー」
ホリエモンこと堀江貴文氏(40)が仮出所し、96キロぐらいあった体重が67キロぐらいに減ったことが話題である。さすが『週刊新潮』というべきか、さっそくタニタの社員食堂の健康食に匹敵する「刑務所レシピ大研究」という特集を組んでいる。『ニッポンの刑務所30』の著者でフォト・ジャーナリストの外山ひとみさんは、いまのムショメシはいいとこう話す。
<「かつてはクサい飯と言われた麦飯も、今では食物繊維が豊富な健康食とされるし、受刑者の高齢化を意識して減塩が進み、1日の塩分量が7・5グラムになるように気を使っている刑務所もあります。脂っこいメニューも減って、唐揚げもあまり見なくなりました。朝6時半ごろ起床し、食事時間は7時、12時、16時20分ごろと決められ、平日は朝食と夕食の間は、30分の運動時間を除いて刑務作業で、21時には就寝。メタボが解消するのもわかりますね」>
府中刑務所の担当者はタニタの健康食と遜色ないと胸を張る。<「与えられた予算内で栄養バランスがいいものを毎日食べられ、我々の日常の食事よりいいと思います。高脂血症を防ぐため塩分に気を使っていて、ソースや醤油は小分けにバックされたものを使い、余分に摂取しないようにしています。ここでは食べたくても食べられないし、1日30分の運動時間もある。堀江さんの100キロ近くあった体重を維持するにはそれなりのカロリーが必要で、それが摂取できない以上、普通の体重に戻るのは当然です」>
週刊新潮は各刑務所の献立作りへの『執念』には、尋常ならざるものがあるという。宮城刑務所はこうだ。<「まず管理栄養士が、ひと月を上旬、中旬、下旬と分けてメニューを考え、それについて月に1度、献立委員会で話し合います。うちの場合、委員会に所長を含め幹部職員など10名と、仙台市内の少年施設の職員3名が参加し、肉料理が続けば、もう少しバラしたらどうか、などと提案します」>
ホリエモンが収監されていた長野刑務所のレシピは、同所の庶務課長によればこうなる。<「主食は米7麦3の麦飯で、朝はほかに海苔や佃煮、サンマ缶、週に2~3回、納豆や漬物も出ます。味噌汁は減塩味噌を使い、具には豆腐やワカメ、大根、キャベツなどを入れています。副食はレトルト食品が多い中、味噌汁は手作りで、ふりかけも受刑者が飽きないように、のりたま、ゆかり、明太子、わさびなど、いろいろな種類をローテーションで提供しています」>
健康になりたかったら刑務所に行くに限るようである。