東京弁護士会の副会長まで務めた弁護士が、成年後見人制度を悪用して依頼者の財産3900万円を着服していたことが露見した。「とくダネ!」はこの松原厚弁護士を直撃したが、ごまかしと開き直りの「あきれた反論」が返ってきた。
選任の裁判所も手が回らずノーチェック
松原は千葉に住む女性の成人後見人になっていたが、「3900万円を着服しましたね」と問い詰められると、少し言い淀んで「いや、着服したのは1400万円だけ。残りの2500万円は必要経費だ」と悪あがきをはじめた。スタッフが「それだけの大金を何に使ったのか」とたたみかけると、「自宅のローン返済や家具などの調度品を購入するため。また、必要経費は彼女の所に行くのに1回の交通費が5、6万円はかかる。往復の途中ではラーメンなどを食べることもある」と呆れた説明だった。さらに、「必要経費には、私が彼女のために使った時間に対する費用補填も含まれる。長期にわたって彼女のために使っているわけだから、これは当然だ」とうそぶいた。
松原がこのような着服ができたのも、成年後見人制度そのものに欠陥があるからだという。司法書士法人NCPの井上真之氏は「決まりでは、必要経費に使ったお金の領収書などは、裁判所が1枚1枚チェックすることになっています。しかし、裁判所も忙しくてそこまで手が回らないのが実情です」と語る。
反省まったくなし!自宅に酒瓶ゴロゴロ「逮捕?まあ当然だな」
松原は着服した金は少しずつでも返していくといっているが、スッタフが自宅を訪れたときはベッドの横に空いた酒瓶などが転がり、ガス・電気は止められていた。
メインキャスターの小倉智昭は「こんな人物を裁判所がよく後見人に選んだものだ。弁護士だからもう少しまともな弁明をするかと思ったら、ラーメンも経費だなんて、何を言ってるんだ。あんたにこそ後見人が必要だ」と声を荒げる。
コメンテーターの深澤真紀(コラムニスト)「1度、後見人に選ばれると、依頼者からの申し立てがない限り自動的に更新されていくんです。そういう制度の欠陥がこの事件を生んだ」
東京弁護士会は刑事告訴する方向で、松原自身は「逮捕・勾留は当然の事案でしょうね。1年半ぐらいは棒に振る覚悟」とまるで他人事だ。
笠井信輔アナ「弁護士なんだから、一般とは違う厳しい判決で追い詰めるべきですよ。被害者の女性は成人後見人を付けたことでますます大変なことになってしまったわけで、簡単に許される話しではありません」