1票の不平等について、各地の高裁で0勝16敗(違憲14、違憲状態2、うち無効2)となったことを受けて、きのう3日(2013年4月)、10党の与野党幹事長会談が開かれた。自民党案の「0増5減、比例削減30」に対し、民主党など野党は自民党案は違憲判決に応えていないとして反対し、物別れとなった。
民主党の細野幹事長は「0増5減では自民党の石破幹事長の地元である鳥取県に2議席残る」と指摘する。その石破茂が生出演した。
自民党案「0増5減」格差2倍と1・998倍どれだけ違うの?
金井辰樹(東京新聞政治部記者)は「0増5減をやるやらないは、やった方が良いに決まっていますよ。問題はその後で、お茶を濁してそれ以上のことをしないのではないかという心配があるんです」と指摘する。司会のみのもんたが「この国会でやるのかやらないのか。絶対やると言うのはどうやって担保してくれるんですか」と石破に迫った。
石破「一番大事なのは何か。裁判所に憲法違反だと言われました。『一人が2票持ってはいけません』ということです。裁判所は『定数を削減』『選挙制度改革』とは言っていません。0増5減は意味があるんです。2倍すら切れない状態がずっと続いていた中で、初めて1.998倍で2倍を切るわけですから」
2倍と1・998倍にどれほどの違いがあるのか、いかにも改革をやりたくないという気持ちがにじみでているような数字だが、これさえも2009年の衆院選の最高裁の「違憲状態」判断に対する緊急対応策に過ぎず、去年暮れ(2012年)の総選挙に当てはめるとすでに2倍を超えているという分析もある。0増5減で選挙をやっても、再び「違憲・無効」判決となるということだ。
みの「司法では1.4倍でも違憲判決が下りているが。石破さん個人は2を切れば良いと考えているのですか」
石破「いや、そうとはいっていません。ただ、2を切るのが最優先。0増5減は去年の段階では与野党合意だった。なのに、なぜ野党はいま賛同できないのか」金井「昨年の与党民主党が、政権を引き延ばすために選挙制度改革をやっていた。しかし、その違憲状態下で解散を迫った自民党とて同罪ですよ。かなりの力技だった」
これにはスルーした石破は、「0増5減は義務。違憲状態を解消する。これを先攻させて成立させます」
第三者委員会で改革案作りしかない
ここで、みのは「街の人達はどう思っているのでしょうか」と話を転じた。「まずは0増5減で進まなければ。その上でさらに格差を縮小するべき」(年金生活62歳)、「もう少し踏み込んで欲しい。結局、何年も続いている話で0増5減したからでは納得できませんよ」(43歳会社員)、「根本的に5減じゃ足りない。1.998倍くらいだと多分もう1度見直しが入る。人口の増減を加味して選挙区を根本から見直し、議員定数は大幅に削減すべきです」(36歳コンサルタント)
みのは「新橋駅前のほろ酔いの人たちに聞いたんですが、みなさんはっきり意見を持っていらっしゃる。良く知ってますよ」と感心する。コメンテーターの北川正恭(早大大学院教授)が面白いこと言っている。
「ローマ教皇を選出したコンクラーベってあったでしょ、あれどうですか。与野党を国会の中に閉じ込めちゃって、結論が出るまで出さない。それがいやだったら、やはり第三者委員会が新しい選挙制度を作るしかありませんよ。それは国会議員のプライドが許さないというなら、やっぱりコンクラーベでしょうね」
格差2倍以下ということは、「1人0・5票」でも我慢しろということだ。与党も野党も「1人1票」が大原則であることを忘れていないか。
磯G