2015年から相続税の課税が強化されることで、骨肉の争いが増えそうだという。親が残した遺産を巡る家族間のトラブルだ。柏木厚志リポーターが訪れたのは今年74歳になるという佐々木秀雄氏だ。佐々木氏は複数の土地権利書と預金通帳を見せた。柏木が驚いて「全部でどのぐらいの金額になりますか」と聞くと、「数千万円は下らないでしょう」という。
柏木「サラリーマンだった佐々木さんが、これだけの資産をどうやって貯めたのですか」
佐々木「入ってくるお金は決まっていましたから、出ていくお金を抑えるしかない。初任給2万円時代には月2000円で過ごしてました」
非課税限度額引き下げで新たに相続税発生
佐々木さんは自宅の他に岐阜と愛知県に駐車場、長野県の白馬に別荘も所有している。しかし、最近、自分の遺産相続に悩むようになった。2015年1月1日に相続税が改正されるとからだ。遺産相続コーディナーターの曽根恵子さんに試算してもらったところ、現行ならば相続税は70万円だが、改正後は500万円と出た。改正によって、非課税限度額が引き下げられるからだ。
曽根さんは佐々木さんに「不動産の相続は家族間でも分けにくいので、岐阜と愛知の不動産は売却して、その代金で都内に新しく土地を購入します。婚姻関係が20年以上続いていれば、妻には2000万円までの相続が無税になります。残りの名義を家族にすればいいのでは」とアドバイスした。
相続めぐり兄弟が絶縁状態
相続を巡り兄弟が絶縁状態になったケースが紹介された。柏木は「父親が所有していた200坪の土地のうち、入口付近の土地を兄に無断で弟に相続し、それが原因で今も兄弟は断絶状態です」と伝えた。コメンテーターの黒川伊保子(感性リサーチ代表取締役)は「遺産相続は公平に分けたつもりでも、どこかに不満が残ります。あの子は嫁に行ったのにとか、自分よりもあいつの方が多かったとか、家族関係にひびが入る火種になりやすいんです。遺産を公平に分けるというのは難しいですね」とかたる。
メインキャスターの小倉智昭「家族間のトラブルを避けるために、自分で使ってしまうことが一番。そうすれば、いがみ合うこともなくなる」
子孫に美田を残さずか…。まずは、それぐらいの遺産を貯めてみたい。