アベノミクスで物価が上がる、給料はまだ上がらない、売る方も値上げができない―なんて話の一方で、しばらく聞かなかった妙な犯罪がまた起こった。 銅の値段が高くなったというので、さっそく配電線ドロが現れたのだ。それも市役所ときたもんだ。
懐中電灯で役所業務
きのう1日(2013年4月)未明、神奈川・平塚市役所で物を引きずるような物音に守衛が気づき、駆けつけると2人の男が軽トラックで逃走した。そこには電源ケーブルが切断されて放置されていた。約250メートルもあり、一部が持ち去られていた。
平塚市役所は建て替え工事中で、仮の配電線を屋外に設置していた。これが狙われたわけだが、手際が良く、一部は切断したものをループ状にまとめてあった。ある程度の専門知識や工具がないとこうはいかない。
電気を失った市役所は事務手続きも薄暗い中で受け付け、懐中電灯で照らしたりして業務を行っている。エレベーターも止まって、ベビーカートを階段で運ぶなど大騒ぎだった。
原材料買い取り業者「円安になってからいろいろ持ち込まれる」
なぜ狙われたのかる銅の高騰だった。このところの為替相場は、2か月間でざっと円が1ドル10円安くなり、銅の相場も12月の1キログラムあたり665.8円から2月には 761円に急騰した。これまでも、輸入価格が上がる円安のときはそこら中で送電線が盗まれたりしたものだったが、しばらく続いた円高の中で忘れられていた。それがたちまち復活というわけだ。
原材料買い取り専門店の話では、円安に振れてからいろんなものが持ち込まれるようになったが、送電線は銅の質が高いので高く売れるという。市役所で切断された総量は312キロにもなったという。相場は16万2000円だ。
舞の海(スポーツキャスター)「300キロだと力士でも持てない」
宮田佳代子(ニュースキャスター)「売る場所があるんですか?」
リポーターの高村智庸「リサイクルショップです」
舘野晴彦(月刊「ゲーテ」編集長)「即物的ですね。新興国みたいだ」
司会の羽鳥慎一があわてて「アベノミクスのせいだというのもどうかと思うが…」という。しかし、円安のせいであるのは確かだ。日本人もやることが 荒っぽくて単純になった。