ミスター(長嶋茂雄・読売巨人軍終身名誉監督)とゴジラ(松井秀喜・元大リーグ野手)が国民栄誉賞をダブル受賞した。街の声は複雑で、「ホントですか、良かった」と素直に喜ぶ声があれば、「(長嶋については)遅かったぐらいじゃないでしょうか」「なぜ、突然に?」といぶかる声もある。受賞する2人もビックリしたようで、松井は「ただただ恐縮してます。ひとえに長嶋監督のおかげ」と長嶋からもらったようなコメントで、長嶋も「苦楽をともにした松井君と一緒。これ以上の喜びはない」と、2人とも評価されたことよりW受賞を喜ぶという妙な話になっている。
王、衣笠には世界記録があるが長嶋にはない
スタジオのコメンテーターたちの反応も複雑だ。杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説・専門記者室長)は「お祝い事ですからいいんですが…」と言いながら、「あえて言うと『なぜなんだろう』というのはありますね。きのうの記者会見でも結構『どうしてバッターばかりか』など質問が出てました。また、過去、野球から選ばれたのが王さんと衣笠さん。2人とも世界記録を持っているが、記録がない。その辺はあります」と話す。最後は苦笑しながら「いいことであることは間違いない」と繰り返した。
スポーツプロデューサーの三屋裕子さんは「記録よりも記憶の賞だと思います」と無難な言い方だ。「なぜっていうのは確かにあると思うんです。大リーグで言ったら『野茂さんはどうなの?』とか。高橋尚子さんが取った時も『じゃあ、谷亮子さんはどうよ』っていう声もあったように、疑問は出てくると思いますが、そういう曖昧さが国民栄誉賞かと思います」と、こちらも最後は苦笑いだった。