このところやたら過激で挑発的な北朝鮮が、深夜の作戦会議の映像とやらを見せてくれた。金正恩第1書記と軍参謀とおぼしき姿の後ろには、いろいろなものがあって楽しませてくれる。本物なのか、ただの宣伝道具なのか。CGより手間がかかることだけは確かだ。
ブッシュ元大統領地元も攻撃目標!何年前の話だい?
おととい30日(2013年3月)の朝鮮中央テレビは、「南北関係は戦時状況に入った」と特別声明を発し、「侵略者、挑発者は1人残らず灰燼に帰すだろう」などと吠えた。きのうは党の中央委総会で金が「核兵器による武力強化」を宣言し、労働新聞は「横須賀、三沢、沖縄」と名前を挙げて攻撃圏内であると威嚇した。
一連の挑戦的な発言は、米韓合同軍事訓練への反発と見られるが、とくにアメリカがステルス爆撃機B2を参加させたのが北の神経に障ったらしい。特別声明でも「軍事的挑発を起こすなら、全面戦争・核戦争へと広がる」ととにかく勇ましい。
その前日に公開された、金正恩が参加した「緊急作戦会議」という写真が面白い。略章べたべたの将軍とおぼしき軍人が金を取り囲んでいる。その背景が凝っている。朝鮮半島・日本の地図が張ってあって、タイトルはハングルで「日本侵略軍配置」とある。在日米軍基地に印がついている。別の角度の写真のバックは「アメリカ本土攻撃計画」だ。
コメンテーターの前田典子(モデル)が「見せてもいいんですか」「わざとかどうか、本来は機密情報ですよね」と苦笑する。地図に引かれている直線は、どうやら大陸弾道弾(ICBM)の軌道らしく、到達先は米本土のワシントンDC、ハワイ、カリフォルニア、テキサス州オースチンだったという。オースチンはブッシュ元大統領の地元だから、攻撃図を作ったのはだいぶ前のことか。
さらに、別の表も見えていて、「潜水艦40隻、上陸艦13隻、掃海艦6隻、補助艦船27隻、飛行機1852機」などと読める。
前田が「どれだけサバ読んでいるのか」
青木理(ジャーナリスト)「(実数は)韓国より少ないんですよ。だから本当かどうかわからない。もともと朝鮮戦争は休戦状態だから、相手は国連軍、実質は米軍だから、こういうのがあっても不自然ではない」