今年の春は値上がりの春でもある。アベノミクスによる円安の動きで、単純にいえば、1ドル80円の為替相場が1ドル100円になれば、そのぶん輸入製品は上がる。為替分を自社製品の価格に転嫁しないかどうかは企業努力にかかっている。燃料を輸入に頼る電力とガスは、東京電力が平均的家庭で4月から131円、東京ガスも同じく102円値上げする。この料金は5月にもう1度上がる。
4月から小麦粉の売り渡し価格10%アップ
9割を輸入に頼る小麦粉は、天候不順などでもともと高騰しており、そこへ円安が加わりダブルパンチを受けている。小麦粉は政府が買い上げてから企業などへ売り渡す仕組みを取っており、政府の売り渡し価格は4月から平均で9.7%値上げされる。ただ、メーカーがこの値上がり分を自社製品価格に反映させるのは6月ごろになるという。パンやめん類、菓子類などが一斉に値上げになりそうだ。
値上げの春に小売店はどう対応しようとしているのか。東京・品川の戸越銀座商店街で輸入食品を扱う食料品店には、オリーブオイルの並ぶ棚に「円安のために近々値上げになります」の張り紙があった。店主によると、オリーブオイルのビン詰め689円が300円ほどアップするという。
ガス・電気は円安分まるまる契約者転嫁
スタジオで吠えたのはコラムニストの勝谷誠彦。「電力、ガスの値上げはおかしいと思う。燃料の天然ガスは、アメリカのシェールガス生産の本格化で世界的に値崩れしていて、半額になっているところもある。長期の固定価格契約でそのまま為替変動を丸呑みしているが、市場原理を入れるべきですよ。独占企業で消費者に転嫁すればいいと思っているのだろう」
友利新(医師)は「商店の人たちは我慢して欲しくないですね。負担を皆で分け合っていただければお給料も上がる。うまく回転すればいい」という。
これに勝谷は「僕のところはうどん屋ですけど、我慢できません。生産農家を保護するために政府が買い上げるのがおかしい」と反論する。勝谷は讃岐うどんの楽しむ集団「麺通団」の運営に関わっているのだ。