女性に交際を断られた腹いせか、女性の靴の内側に毒物塗って殺害しようとした男が逮捕された。化学製品メーカーに勤める山梨県山中湖村の深沢辰二郎容疑者(40)で、深沢は昨年12月(2012年)、同僚の40代女性の靴内側に「フッ化水素酸」を塗り殺害しようとした。
骨まで溶かす「フッ化水素酸」
被害にあった女性は室内履きから外履きの靴に履き替えて会社を出たが、帰宅途中で足に違和感を覚え、病院で見てもらったところ足指の壊疽と診断され、左足指5本全部を切断する重傷だった。深沢はこの女性に好意を寄せていたが交際を断られ、業務で扱っていたフッ化水素酸を持ち出して靴に塗り、殺害しようとしたと見られる。
このフッ化水素酸は無色透明、揮発性の猛毒で、極めて腐食性が強くガラスや金属加工に広く使われている。わずかな量でも皮膚につくと皮膚だけでなく骨まで溶けてしまうが、皮膚が融けている間は痛いという自覚はなく、骨まで達したときに激痛に襲われるという。生命に危険を及ぼすこともある。
勤務先の業務用持ち出し
キャスターの小倉智昭「骨も溶かしてしまう劇薬では、扱いなれた人でないと犯罪に用いるなんて考えないよね」
コメンテーターのショーン・マクアードル川上(経営コンサルタント)は「この会社はどんな毒物の管理をしていたんでかすかね。会社にも問題がある」という。深沢真紀(コラムニスト)も「報道によると、昨年10月にも被害を受けていたということで、2回もあったとしたらなぜ10月の時点でフッ化水素酸の管理をちゃんとしなかったんでしょうか」と話す。
深沢は容疑を否認している。