首都直下型地震の元凶のひとつとされる東京西部の「立川断層」の調査で、文部科学省の研究チームはきのう28日(2013年3月)、断層の痕跡とみられていたものが、工事跡だったと発表した。古いコンクリート片を自然石と誤認したもので、見学に来た土木関係者の指摘でわかったというから、これはお粗末だ。
見学の土木関係者「ありゃ違うだろう。コンクリート片あるよ」
立川断層は府中市から青梅市まで約20キロ、埼玉県まで入れると33キロも続く断層である。東大地震研などの専門家による調査団は先月、武蔵村山市のトレンチから、活断層による地層のズレが見つかったとしていた。
ところが、見学者の指摘で調べ直した結果、地中に埋まっていた劣化したコンクリート片のようなものを誤認していたと判った。東大地震研の佐藤比呂志教授は発表が誤りであったとして「混乱を与えてしまったことをお詫びします」と語った。
佐藤教授は「人工的な物を見るのに慣れていなかった。催眠術にかかっていた」という。まあ、確かにトレンチの深さは10メートルもあって、深いところだったから、人工物とは思わなかったというのだろうが、この場所はもともと自動車工場の跡地だ。餅は餅屋というのだろう。土木関係者が見に来ていてよかった ということになる。
なにしろ、マグニチュード7.4で8万5000棟が倒壊、死者2600人という被害が想定されていた。地元住民が「東大ともあろうものがねぇ」というのもわからないでもない。佐藤教授は東北電力の東通原発の調査にも参加していたため、会見でも資質を問われる場面もあった。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト