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原発被害地ペットの保護ボランティア―資金不足で「冷凍庫に犬猫の死骸」

   週刊新潮は、新潟市の中心部から南西へ車で約50分ぐらい走った角田山の裾野にある動物愛護団体「アニマルフレンズ新潟」の代表を務めるガラオン青木・イザベラ(49)さんのことをとりあげている。彼女は東日本大震災後、岩手、宮城、福島をクルマで回り、犬やネコを保護したことで一躍有名になったそうである。私も原発事故直後に福島を回り、多くの犬やネコが野良化しているのを見た。いくつかのワゴン車が来て、ネコや犬を連れて行く光景にも出合った。そうした中の一人だったのだろう。

   その彼女について、3月10付の英紙『サンデー・ミラー』が津波で救出されたペットが保護施設で死につつあるという記事を掲載したのである。何匹かのネコが死後に冷凍され、ビニール袋に入れられている様子が写し出され、管理体制が極めて杜撰で、ネコや犬がバタバタ死んでいるというのだ。

   元ボランティアにいわせると、イザベラさんも彼女の夫も犬のほうが好きで、ネコの世話が手薄になり 悲惨なことも起きているという。別のボランティアはこんなショッキングなことを語っている。

「ある外国人ボランティアは、屍骸を何回か燃やしたと言っていました。敷地内にはドラム缶があって、イザベラさんも夜な夜な犬や猫の屍骸を燃やしていると聞かされました」

   イザベラさんは週刊新潮の取材に対して、ドラム缶で焼いているのは木やゴミだけだと反論し、自分のやり方に批判的な人間が潰そうと、ためにする情報を流しているのではないかと話している。

   だが、イザベラさんと付き合いのある新潟市の獣医・鷲澤潤氏は、被災地から連れてくる犬やネコはかなり病気でやられていて、不妊治療やワクチン代などもかかり、氏への未払い治療費も170万円ほどあるとしてこう語る。

<「亡くなった犬猫の処理も最初は業者に頼んでいたが、金がかかるので冷凍庫に溜め込むようになったようです。彼女の気持ちも分かるが、完全に限界を超えている。もう福島から連れてこないでほしいと申し上げました」>

   動物が好き、可哀想だというだけでは、こうしたボランティア活動は難しいのであろう。彼女が、資金集めの能力まで要求されるのは少し酷なような気がするのだが。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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