安倍首相と麻生副総理に亀裂「2年で2%インフレ難しい」
さて、アベノミクスと黒田新日銀総裁を合わせて「アベクロ」と呼び、これで日本経済は万々歳だと喜んでいた『週刊現代』なのに、こちらも風向きが変わったのか、今週は「黒田新総裁は財務省の犬かも」とやや危惧し始めている。元経産相キャリアだった古賀茂明氏がこういっている。
<「もし日銀の審議委員やエコノミストたちを論破できないとなると、黒田さんの場合、否応なく古巣・財務省の威光を借りてしまうこともあり得ます。財務省の力をチラつかせ、『黒田総裁に逆らうと財務省を敵に回す』と思わせ、反対派を黙らせるわけです。
ただしそうなると、黒田さんは自然と財務省の顔色を窺わざるを得なくなります。その後にもし、政策の転換を行う必要が出たときに、財務省や政府の圧力に抵抗できるのか。土壇場で官僚としての弱さが出てしまう懸念もある」>
週刊現代が続ける。<そもそも黒田氏がアジア開発銀行の総裁を務めていたのも、そこが財務省の天下りポストだったから。歯に衣を着せない一言居士として知られる黒田氏ではあるが、財務省という巨大かつ強力な傘の下で庇護されてきた『お役人』であることは変わらない>
不安材料はまだあるという。黒田がリーダーシップを発揮するためのバックボーンとなっている、安倍政権の内情の問題を自民党のベテラン議員がこう話している。<「3月21日に黒田氏が初会見を行う直前、麻生太郎副総理兼財務相が『(アベノミクスが標榜する)2%インフレ目標の達成は難しいかもしれない』と発言し、一時的に為替が円高に振れる場面がありました。麻生氏は、安倍総理と必ずしも経済政策の面で一致していない。これから具体的に政策を実行していく上で、両者の亀裂が深まっていく兆候が出ています」>
私も、このところのデフレ克服の筋道について、麻生副総理と安倍首相の「言葉遣いの違い」は気になっている。財務官僚が麻生を後ろで動かし主導権を握ろうとする権力争いが始まっている、と読むのは勘ぐりすぎだろうか。