暴力、体罰、助成金の不正受給と不祥事が後を絶たない全日本柔道連盟だが、上村春樹会長はいっこうに辞めるつもりはないらしい。さすがに、26日(2013年3月)に開かれた全柔連評議委員会では、各県の代表から「上村会長は出処進退を明らかにすべきだ」という怒りの声が噴出した。
助成金不正受給疑惑「国会喚問」で追及の動き
助成金の不正受給問題では、助成金が公金であることから、国会に証人喚問して追及する動きも出てきている。この助成金は日本スポーツ振興センター(JSC)が、指導者に対して年間120万円、選手に240万円を支給している。全柔連は指導者に支給した助成金の中から一人当たり年間40万円を上納させ、執行部幹部の個人口座にプールしていた。
さらに、選手指導をしていない理事を指導者として登録し、助成金を不正受給していた事実も浮上している。ある理事は「指導実績のない中で助成金を受給していたのは事実」として、全柔連に辞表を提出し受理されたという。
全柔連は弁護士や公認会計士で作る第三者委員会の設置し、助成金問題を調べることにしているが、組織ぐるみの不正行為として確認されれば、刑事罰の対象になる。
「これからも全力で務める」と居座り表明
26日の臨時理事会、評議会のあとに行われた記者会見で、「理事総辞職の考えはないか」と問われ、上村会長は「今は第三者委員会の先生方にすべて調査をお願いしている。その結果が出るまでは全力で取り組むということです」と居座りを明らかにした。「不正受給調査の規模や日数は?」と聞かれても、「第三者委員会の先生方に全部お願いしてありますので、そちらの判断になると思う」
詳細を語らず、第三者委員会に丸投げして逃げ切る算段なのだろう。キャスターの小倉智昭は「全柔連の最近の動きを見て、試合にたとえるならば、1本、技アリもなくて指導だけ。本当にお粗末ですね」と呆れた。
もっとも、ここまでチョンボが明らかになれば指導では済まされない。反則負けの退場はやむを得ないだろう。