全日本柔道連盟はきのう26日(2013年3月)に臨時の理事会を開き、不正受給が指摘されている助成金問題を第三者委員会に委ねることとした。また、女子選手への暴行問題を扱う「改革・改善実行プロジェクト」のトップには上村春樹会長がつき、山下泰裕理事が「暴力の根絶宣言」プロジェクトの責任者となった。
第三者委は弁護士3人、公認会計士2人からなるといい、上村会長は「第三者委に調査をお願いしている。これについてきちんと結果を出 すことが仕事だと思っている」と述べ、進退については「結果が出た時に判断したい」と続投を表明した。助成金不正受給の組織的関与を聞かれ、「組織的とはどういうことかわからないが、全柔連の会計ではなかったのは事実。これも検証いただく」と答えた。助成金の操作については、「強化を担当した人がやっていた。これを把握できなかったことは申しわけなく思ってます」といった。
「内部告発」の理事は辞任
この日の理事会では、助成金を受け取っていたと明かした理事の辞表が受理された。この理事は「わけのわからない金」を受け取って一部を全柔連に「上納」していたと話し、強化委の指示で架空の活動報告書も提出していたという。いきさつは第三者委に報告を出していた。
日本スポーツ振興センター(JSC)の助成金は平成23年度は32団体の選手・指導者に支給されているが、最も金額が多いのが全柔連で、総予算6億4015万円の約2割にあたる1億1760万円にのぼる。
選手数でも86人とダントツ。2位はレスリング協会の61人、次いで水泳連盟の60人と続く。一番少ないのが3人のアマボクシング連盟と近代五種協会など7団体。3人の年間合計は180万円で柔道の65分の1の金額だ。ある団体のトップは「不正の助成金があるのなら、回してほしい」という。
期待できない自浄…助成金は公金。司直の手に委ねよ
司会のみのもんた「この件は世界中に伝わって、日本の柔道はどうなるのかとみられている。2020年の五輪招致にも影響しますよ」と全柔連理事が並んだ会見写真を見せた。「メダリスト、メダリストですよ」。確かに、上村春樹会長(モントリオール)、山下泰裕理事(ロスサンゼルス)、斉藤仁強化委員長(ロサンゼルス、ソウル)と金メダルが並ぶ。
スポーツライターの玉木正之は「国際柔道連盟の関係者いないんですよ」という。「国際的にしゃべれる人がいない。山下さんだけ」。ソウル五輪銅メダルの北田典子は「現場が悲鳴を上げてます。以前からおかしいねといっていたが、15人が勇気を持って立ち上がってくれたのがきっかけになった。正直ここまでひどいと思いませんでした」という。
玉木が助成金を受けていた人のリストというのを取り出して、「この人はコーチはやらないだろうという人が入ってる」という。カメラには見せないが、みのが後ろからのぞき込んで「はあ~」
玉木「他の団体でもあるというメールが来てますよ。JOCもきちんと調査してほしいですね」
みの「これ、公金が入ってますよね」
片山善博(慶応大教授)「政界の裏金づくりと同じ。司直の手で明らかにしたほうがいいでしょうね。JSCだって官僚の天下り組織なんだから、ここも点検したほうがいいですよ」