2020年五輪招致をめざす東京の最大のライバル、トルコのイスタンブールで国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会の現地視察がおととい24日(2013年3月)から行われているが、立候補している3都市の最新の支持率が出そろった。イスタンブール83%(前回より10%アップ)、マドリード76%(同2%ダウン)、東京70%(同23%アップ)となっている。東京がいちばん低いが、いちばん高いイスタンブールにも東京やマドリードよりも深刻な弱点があるという。
地下鉄造っても乗りたがらない国民性
イスラム圏初のイスタンブール五輪開催を後押ししているのが、ここ10年でGDP(国内総生産)が3倍というめざましい経済成長だ。だが、急激な経済発展で車が増えたにもかかわらず、インフラ整備が追いついていない。選手の移動の重要な要素となる交通渋滞が深刻なウイークポイントとなっている。
イスタンブールはアジアとヨーロッパを15分で結ぶ都市といわれるが、両大陸をつなぐポスポラス大橋が慢性的な交通渋滞に悩まされている。車が動かなくなってしまうこともしばしばだ。市民も認めており、若い男性は「交通状況はとても悪い。10分、20分で行ける職場に1時間かかることもある」という。
トルコで最も有名な日本人といわれ、トーク番組の司会や女優として活躍している高野あゆ美さんに聞くと、「なぜか車で移動したがる人が多いのです。地震がある国なので地下鉄が怖いという人もいるんです。公共交通機関が発達していない国なので地下鉄に慣れていないんですね」と解説する。
当局は渋滞解消に急ピッチで取り組んでおり、選手村から競技会場まで35分で移動できるよう整備を進めている。評価委員に対しても、開業前の地下鉄を公開し、さかんにPRしていた。