大阪府労働委員会が出した不当労働行為に関する命令書に、橋下大阪市長はいったんは謝罪したが、すぐに反撃に転じた。橋下は25日午前7時前(2013年3月)の会見で、「きちんとした第三者機関で判断が出されたわけで、不当介入ということであれば大変申し訳なく思っている。異議ありませんし、不服申し立てもしません」と謝罪した。
「謝罪してるのにあの態度なんだ!」一転して不服申し立て
これで調子に乗ったのか、労組側の北本修二弁護士は会見で「橋下さんのやったことは間違いであることがはっきりした。私たちとしては、この履行があったとしても、それだけで追及の手を緩めることはありません」といい、今後も市長の姿勢を徹底追及すると言い切った。
これに橋下はカチンときた。「あそこまで(謝罪を)やっているのに、(北本弁護士の)あの会見のあの態度、振る舞いはないと思う。これは大阪市民の感覚には沿わないと僕は思います」ということで、夜の会見では「不服申し立てします。組合の態度、振る舞いを全部棚上げして、今回の1件で、鬼の首を取ったような形で自分たちがすべて正しいみたいに言うのは違いますよ」と戦闘モードに入ってしまった。
大阪市長選以来のケンカ
そもそもの発端はおととし(2011年)の大阪市長選挙だった。市労組の組合員が勤務時間中に橋下の対立候補を支援する活動を行ったことを問題視し、昨年2月に政治活動などについての職員アンケート調査を実施した。これに労組側は「思想、信条の自由やプライバシーの侵害だ」として救済を申し立てた。その結果、府労働委員会は、市長が行ったアンケート調査は不当労働行為に当たると判断し、アンケート調査をしないと約束した署名文を書くよう命令したのだ。
キャスターの小倉智昭は「これ相当興味ありますね」にいい、竹田圭吾(「ニューズウイーク日本語版」編集長)は「大阪の問題ではなく、公務員の公民権を制限するのが妥当かどうか問われている。それがどっち、どっちで評価されるのはどうかと思いますね」
それにしても、橋下の足元がこうもぐらついていて、肝心の「大阪都構想」は順調に進んでいるのか、最近は噂すら聞こえてこない。