アベノミクス足引っ張る「キプロス危機」円高ユーロ安で株価に冷や水

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   司会のみのもんたがもっともなことを言う。「お金は家に置けない。庭に穴を掘って埋めてもおけない。銀行に預けよう。預けたところが、国の財政が困難だから、たくさん預けている方から何%かいただきましょうって、冗談じゃないよねって、誰でも思うでしょう」

   地中海の島国キプロスの金融危機のことだ。キプロスと欧州連合(EU)は25日未明(2013年3月)、EUが100億ユーロ(約1兆2000億円)の金融支援をすることで合意した。金融破綻という最悪の事態はひとまず 回避され、10万ユーロ(約1230万円)以下の預金者を守ることもできたが、EUは条件として大手銀行2つを事実上の破綻処理をして、肥大化した「金融ビジネス」からの転換を迫った。

1230万円以上の銀行預金に課税

   キプロスの危機はもともとはギリシャの財政危機だ。キプロスの銀行が大量のギリシャ国債を引き受けていたため金融危機に陥った。EUは100億ユーロ支援の条件として、58億ユーロ(約7000億円)の財源確保を求めた。政府は銀行預金への課税を打ち出したため国民が猛反発し、法案も議会で否決された。

   24日もニコシアのEU事務所前でデモ隊が声をあげていた。「キプロスの経済が壊される。支援というが支援じゃない」と主張するが、支援がなければ 国が破綻してしまう。期限は25日だった。

   アナスタシアディス大統領はEUや国際通貨基金(IMF)と条件について交渉を続け、期限ギリギリでようやく合意に達したのだった。最大の関心事である預金者の負担では、「10万ユーロを超える預金保持者に一定の損失負担と求める」という線で落ち着いた。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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