卒業式の朝なぜ息子殺害…母親うつ病?「生活苦しく一緒に死のうと思った」

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   卒業式の日の朝、小学6年生の男児(12)が母親によって絞められ殺された。母子2人暮らしで、自首した母親は「一緒に死のうと思った」と供述しているという。なぜ息子を殺さねばならなかったのか。

牛乳配達辞めて「福島原発の賠償金で暮らす」

   事件のあったのは福島県二本松市で、22日夜(2013年3月)、市内の無職・渡邉美由紀容疑者(33)が「子どもを殺した」と警察に自首してきた。署員が自宅アパートを調べたところ、寝室の布団の上で、首を紐で絞められた跡がある男児の遺体を見つけた。

   この日は、男児が通っていた小学校の卒業式で、男児は前日まで普通に通学し卒業式の練習にも取り組んでいた。その卒業式を迎える直前の午前6時ごろ殺害されたらしい。

   調べに対し母親は「生活が苦しく将来に不安があった」と話しているという。渡邉は高校を卒業後に同級生と結婚したが離婚し、牛乳配達の仕事をしていた。まじめで仕事熱心。ところが、昨年4月(2012年)、突然「福島原発事故による東電からの賠償金で生活します」と退職した。賠償金の申請をしていたかどうかは不明で、元夫から養育費を毎月受け取っていたが、現在も継続していたかどうかもはっきりしない。生活保護も受けていなかった。

まじめで仕事熱心で内向的な性格

   コメンテーターの中野信子(脳科学者)は「まじめ、仕事熱心で内向的な性格というから、うつに罹患されていたのかなということが考えられますね」という。笠井信輔アナは「どんなに苦しくても、こういう状況で子どもに手をかけるのは同情の余地はない気がしますよ。行政を頼るとか、いくらでも子どもを守る術はあったのではないか」と厳しい。

   笠井の上から目線を見かねたのか、小倉智昭キャスターが「置かれている立場がわからない。何ともいえませんけどねえ」とフォローする。夏野剛(慶大特別招聘教授)は人口減少と絡めてこう話す。

「ただね、われわれが考えなければいけないのは、人口減少化にあるんですよ。2050年には日本の人口は1億人を切ります。2100年には5000万人になる試算もある。明治末に3000万人だったのが1億2300万人に増えていく中で経済成長があった。
日本人をどう増やしていくか。少なくても(現状の)規模を保っていくかは社会のミッション(使命)です。教育とか養育を家庭に押し付けるのではなくて、社会の義務として子どものいる家庭には手厚い保護をするとか、やっていかなければ日本は滅びてしまう」

   名論卓説だが、今回の事件とはかなりかけ離れておりピンと来ない。中野が指摘したように、うつ病の可能性が高いのなら、周囲がもう少し気配りしてあげていたら事件を防げたのか。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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