大山鳴動してネズミ一匹とは、まさしくこのことだろう。東京電力福島第1原発で使用済み核燃料プールの冷却装置がストップした停電の原因は、屋外の仮設配電盤に入り込んだネズミの可能性があると、きのうの20日(2013年3月)に東電が発表した。なんとも、お粗末な話だ。
「配電盤のなか暖かい。あれじゃ入り込まれるの当たり前」と専門業者
大西洋平アナが「突然の停電から丸1日たってようやく復旧しましたが、改めてもろさを露呈した格好になりました。電気の専門家によりますと、ネズミが侵入することは想像できないことではないといっています」と伝える。
東電はきのう未明から本格的にトラブルの解明を始めたが、3号機と4号機につながっていた仮設配電盤の壁がすすけて、その下にネズミのような小動物の死骸が落ちていた。電気工事の専門業者が解説する。
「配電盤の中は暖かいものですから、ネズミは落ち着くわけです。で、接触して感電する。漏電を感知して、つながっている機器は全部止まってしまう」
大規模な施設で配電盤に対策をしていなければ、ネズミの漏電トラブルが起きるのは常識という。ネズミはわずかな隙間があればするっと入ってしまう。その備えはなかったのだろうか。
仮設配電盤はトラックの荷台に置かれたままの状態で、雨よけのビニールをかぶせてあるが、中からコードが出ておりどうしても隙間ができる。ネズミはそのコードをのぼってわずかな隙間から入り込んだらしい。「いってみれば、漏電のためブレーカーが落ちるようなことだと思うですが」と大西アナ。
いまだ仮設でバックアップもおぼつかない
司会の羽鳥慎一「よくある事態ではすまないですよね」
大西「だからこそ、専門家の方はどうしてそれが想定できていなかったのかと言ってます」
コメンテーターの松尾貴史(タレント)「事故から2年以上たっても仮設の配電盤を続けていなければならないという状況自体が、あまりにも脆弱ですよね。むしろネズミで幸いだったという解釈の仕方もある」
青木理(ジャーナリスト)「昔、田舎の家ではネズミがかじって停電したなんてよくありましたが、それと同じレベルかと思うと」
羽鳥「そういったレベルでは全然ないわけですよね」
高木美保(タレント)「今回はひとつにつながっていましたが、実際にバックアップの配電盤がないのかなということが、ちょっとわかったじゃないですか」
大西「多重防衛対策が考えられていないというところに、またひとつ甘さが見えたのかなと思いました」と締めくくった。