福島第1原発の停電原因は1匹のネズミだったようだ。屋外の仮設配電盤の端子に焼け焦げた跡があり、近くにネズミのような小動物の死骸が落ちていた。ネズミが端子に接触して大きな電流が流れてショートし、停電したのではないかと見られている。
笠井信輔アナが問題視したのは、原発の心臓部である電源の配電盤が、「ネズミが入り込むと停電を起こす。まるで昭和年代の学生の下宿先」のようなお粗末さだった。
裸の配電盤をビニールで覆ってガムテープで留めただけ
トラックに積まれた仮設配電盤は1台だけで、事故後の2011年5月から3、4号機の使用済み核燃料プール用冷却装置の電源、さらに共同プール用冷却装置の電源として使用されてきた。仮設配電盤から各冷却装置にケーブルを繋ぎ配電するシステムで、もともと応急用の装置だった。風雨が強まれば裸の配電盤をビニールで覆い、ガムテープで留める状態で使ってきた。
笠井「われわれ素人目に見ても、この状態で2年間というのはいくらなんでもという感じです」
サブキャスターの菊川怜「命綱みたいなものですよね」
本来、別系統の電源である1号機や免震重要棟もこの仮設配電盤とケーブルが繋がっていたため、異常な電流の流れを受けて停電している。
応急設備を2年間使い続ける東電の無神経
今月8日(2013年3月21日)に4号機内を見てきたキャスターの小倉智昭は、「われわれは15分しかいられないような状態の中かで、きちっとした電源設備を作るのは相当困難ではないかと思う」と東電をかばってみたが、笠井は「プレハブぐらいは作ってもいい。電源は心臓部ですから」ともっともなことを言う。
小倉「電気はケーブル引っ張れば届くんだから、これを契機に別の離れたところにきちっとした施設をつくれるはずだ」
地震と津波で全電源が喪失し、冷却システムが機能しなくなってメルトダウンが起きた。その応急措置を2年間も使い続ける東京電力の無神経には呆れるほかない。