良いことばかりじゃなさそうな「4月から定年65歳」賃金半減や早期退職強要

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   4月(2013年)から「高年齢者雇用安定法」の改正法は施行される。希望者は65歳まで働ける定年延長が目玉だ。「企業は希望者全員を65歳まで雇用すること、違反した企業は名前を公表するとなっています。国民年金の掛け金支払いは60歳終わるのに、受給は65歳からと空白の5年間が生まれます。その間を企業に雇用して欲しいということです」(塚原泰介アナ)

   ただ、定年延長は企業の負担が増える。雇用を続ける代わりに、基本給の半減や早期退職の強要が増えそうだ。

雇用延長トラブルおととしの3倍

   高齢者の雇用条件に詳しい東京管理職ユニオンの安倍誠副委員長は、「雇用延長などのトラブルは、おととし(2011年)の同じ時期の3倍に増えています」と言う。たとえば、59歳のAさん(59)は販売業の総務職の正社員だが、会社から基本給の半減を通告された。「共働きしていかないと食べていけません。半減は思いもよらない事です。でも、会社から『60歳以上の老人を雇ってやるだけありがたいと思え』って言われました」と話す。

   Bさん(56)の夫はいま失業中だ。家計はBさんの肩にかかっているが、雇用先から早期退職をすすめられている。「ここでやめたら高齢だし雇ってもらえる所はありません。この3年間は生活保護の基準金額以下で暮らしているのに」と途方に暮れる。

   井ノ原快彦キャスターが「改正された法律で基本給が半減はアリなんですか」と雇用問題に詳しい佐々木亮弁護士に聞く。「改正された法律では明確に禁止されていません。一方、退職の勧告は雇用側と労働者の契約ですので、働く側はノーと言えます。法律の改正で賃金や仕事内容が変わるケースが増えるでしょうが、雇用の問題は一人で悩まずに、組合やユニオン、弁護士などに必ず相談して下さい」

   「年金の尻ぬぐいをしてやるんだから、首切りや賃金カットをやりやすくしてくれ」と企業はいい、年金改革を放ったらかしにしている政府はそれを飲んだということだろうな。

(磯G)

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