自民党はきのう17日(2013年3月)、政権復帰後初めての党大会を開き、TPP交渉参加を表明したばかりの安倍晋三首相は、「必ず私は日本の農業を、そして食を守ってまいります。どうか私を信頼していただきたい」と訴えた。はたして、重要品目とした農産品を守れるのか。リポーターの所太郎が政府の試算をもとにTPP交渉参加の影響を解説した。
「国産牛乳」プレミアム以外は消滅
政府試算の「TPPによる経済効果」によると、すべて関税を撤廃した場合、安い農産品の輸入増、工業製品の輸出増のプラス・マイナスを勘案すると、トータルでGDPを3.2兆円押し上げる効果があると見込んでいる。ところが、所がこれを品目別にみると衝撃的な数字が明らかになった。
【コメ】3割が外国産になり価格は26%下がる。
【乳製品】チーズ、バターはほぼすべてが外国産になり、バターは価格が62%下がる。牛乳は北海道の乳製品用が他の地域の牛乳を圧倒し、他地域ではプレミアム牛乳以外は消滅。
【砂糖】すべてが外国産。価格は69%下がる。
【牛肉】高級牛肉(日本産)は価格が7%下がる。安い牛肉は9割が外国産になり価格は14%下がる。
【小麦】国産100%の小麦(生産量1%程度)以外は外国産となり、価格は52%下がる。
朝日新聞・読売新聞は賛成、地方紙は反対
所の説明を聞いて、司会の羽鳥慎一「TPPにはプラス・マイナスありますが、プラスの面をみると消費者としてはいいことですね」
コメンテーター前田典子(主婦モデル)「価格が下がることはうれしいことなんですが、農家の方はかなり厳しいですね」
石原良純(タレント・気象予報士)「こんなに安くなるのに、これでいいのかと不安になるのはなんなのですかね」
羽鳥「マイナス面の生産者のことを考えると、相当厳しいということが僕らでもわかりますね」
青木理(ジャーナリスト)「けさ(18日)の朝刊をみると、各紙の世論調査でTPP交渉参加の支持が高かった。TPPに関する社説でも全国紙の朝日新聞も読売新聞も賛成だが、地方紙はほとんどが反対。都市の消費者層と地方の生産者層が対立する構図になっている。安くなるからOKなんていう話ではない。TPPに参加するなら、国内で手当てすることが山積している。僕らはそのことを自覚しなければならない」
司会の赤江珠緒「これではあまりにも壊滅状態ですからね」
羽鳥「といって、農業がこのままTPPに参加しないでいいのかというと、衰退していく可能性もあるわけで…」
まだまだ、このテーマを取り上げていく必要があるようだ。