千葉県知事選挙の投開票が17日(2013年3月)に行われ、現職の森田健作が123万票を獲得して再選が決まった。「速ダネ!NEWS」コーナーで取り上げた笠井信輔アナがとくに注目したのは、3位だった佐藤雄介候補(31)=無所属・新=という人物だった。
森田現職と共産党候補だけ。どっちか選べっていわれても…
佐藤について分かっているのはシェアハウス経営というだけで、写真なし、経歴紹介なし、演説なし、政見放送なし、県の選挙公報も白紙という異色の候補者だったが、それでも4万7559票を獲得した。
キャスターの小倉智昭は「なぜ4万7000票も入るの?」と納得できない表情だが、笠井は「そこがこの選挙の一つのニュースなのです」と首を傾げながらこう解説した。
森田が2期目の公約に掲げたひとつは、海上高速道路「アクアライン」(川崎-木更津)による千葉活性化だった。1997年の開通時の普通車(ETC使用)の通行料は2320円だったが、09年に森田が知事に就任して暫定的に800円に値下げした。その800円を維持、恒久化するという公約である。あと1人の候補者は共産党推薦の三輪定宣だ。
顔も素性もからない佐藤雄介なる候補者の4万7000票は、森田、三輪に対する「どっちのいや」という票だったと笠井は言う。
「(森田、三輪の)候補2人では私は納得しませんと、(佐藤に)反対票として投じた意味合いの方がいたのでは」
たしかに、森田は自民党を名乗らず、民主党は不戦敗。有権者からしてみれば選びようがない選挙だったのだ。おかげで、投票率は31.9%(前回45.5%)で、有権者の3人に1人しか投票していない低調さだった。
森田のアクアラインの800円維持をキャスターの小倉智昭が皮肉った。「おかげで週末のゴルフの帰りは混んでね」