中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)がきのう17日(2013年3月)に閉幕した。習近平氏が正式に国家主席に就任し、李克強首相以下の閣僚も選出され、中国の新体制が本格的に動き出すが、深刻化する環境問題や汚職では選任反対票が大量に出るなど、珍しい大会となった。
習主席は演説で「使命を履行する能力を高め、国家の主権と安全と発展という利益を断固として守らねばならない」と語り、李首相も「国家の主権と領土を守ることは中国の揺るぎない意志だ」と述べたが、日本や尖閣諸島には具体的には触れなかった。
中国・全人代で国家海洋局強化―国内の不満を外に向ける狙い
習は党、政府、軍のすべての頂点にたったが、議員たちの環境問題への不満は強い。環境省の案件では大量の反対票が出て会場がどよめいた。蔓延する党幹部の汚職への風当たりも強い。このため、汚職の巣窟といわれた鉄道省の解体し、国家海洋局を強化したのは、国内の不満を外へ向ける効果をにらんだものとみられる。
「朝ズバッ!」は海上保安庁が先に公表した尖閣周辺での巡視船の映像を流した。「領海進入」を阻止する巡視船との駆け引きはピリピリとした緊張感に包まれている。最近は海監2008という最新型の船も投入してきた。
安倍首相は防衛大学の卒業式で、「領土、領海、領空への挑発が続いている。いまそこにある危機だ」と映画の題名で危機感をかきたて、続いて出席した自民党大会では「中国では習近平体制がスタートした。韓国は朴槿恵政権が誕生した。だいたい同じ世代です。地域の平和と安定のためには、3人が意思疎通させていくことが必要だ」と訴えた。
対外強気演出の習近平・李克強体制
司会のみのもんたは「私ならオバマ大統領を入れて、お花見をするとか…」とチャチャを入れたが、アナウンサーの加藤シルビアに「おしゃれですねぇ」 と軽くいなされてガックリ。中国事情に詳しいジャーナリスト・富坂聰氏は「(全人代に)日中関係が大きく変わる要素はなかった」という。重視していたのは「経済と民生」で、経済は今後大きく伸びない中での舵取りのむずかしさ、民生では人々の不満の克服という課題が浮き彫りになったと話す。
外相に就任した王毅・元駐日大使は日本語に堪能で、日本の政財界に広い人脈を持つ。「多くの友人を作って初めて日中関係は確かなものになる」が持論だ。ただ、尖閣諸島問題では厳しい李首相の路線をすすめる以外にない。富坂氏も「党の地位は低いので現場監督みたいなもの。だれがやっても同じ」という。
みの「表面だけニコニコしてるより厳しい方がいい。また友だちになれば譲り合える」
富坂「いまお互いにタイミングを計っているところです。世論がどう動くか。国民を怒らせないように」