対談「曽野綾子・櫻井よしこ」のちょっと頷けるこんな話「男らしい男がいない」
週刊ポストで曽野綾子と櫻井よしこというおっかない二人が対談している。私はこの人たちと考えをかなり異にするが、こんな話には頷けるところもある。
「曽野 先日、家でテレビを観ていたら、『グレン・ミラー物語』という古い映画をやってたの。主人公は売れないドサ回りの楽団から成功して、有名になります。それから彼は、もう生活は何とかなるからと、志願して戦争に行くんです。その時、奥さんに『怒ってるか?』と聞くんですが、奥さんは『怒ってるわよ』と答えるの。でも、『志願しなかったら、もっと怒ったわ』って。そしてクリスマスの街に前線のどこかからグレン・ミラー楽団の音楽が流れるんですけど、その時、彼は飛行機事故ですでに死んでいるんですね。家族プラス、もっと大きな目的がある人というのはやっぱり素敵ですね。
櫻井 そういうことをズバリと言えるのが、曽野さんの魅力的なところですね。それが素敵だといえるような価値観は、戦後の日本ではよしとされてこなかった。でも、家族プラス『公』を守るというのは、かつての日本にはあったことだし、男性を魅力的にする大事な要素だと思います」
彼女たちの「公」は、国のために命をかけるという意味だろうが、国の間違った政策に異を唱え、反原発に命をかけることも男らしいといえるはずである。たしかに男らしい男がいなくなってきたと、私も思うがね。