「アベクロ・バブル」の陰で中小企業10万社倒産!今月末で延命法打ち切り
話はガラッと変わるが黒田東彦が日銀総裁になって、『週刊現代』はアベノミクスとかけて「アベクロ・バブル」と呼んでいる。表紙にも全国民必読と謳って、安倍総理のブレーン、浜田宏一・イェール大学名誉教授&国際金融担当内閣参与にインタビューしている。浜田教授は黒田総裁を「人格、見識ともに素晴らしい方だ」と評し、今後の株高、円安についてはこう述べている。
「学者として言えば、1ドル100円前後が妥当。長期的に110円に落ちつくと、競争力から考えて少し行き過ぎでしょう。もっとも名目為替レートや株価は、よく反転が起こるものですが。日銀が適正な政策に転ずれば、まだまだ上昇する予兆があります」
これからが「アベクロ」バブル本番か。自動車大手や重機の一部では一時金の満額回答が相次ぐという明るいニュースもあるが、私が心配するのは「モラトリアム法(中小企業金融円滑化法)」が3月末で切れることである。中小企業の延命策だったこれがなくなることで倒産は10万社に及ぶという予測もある。バブルで浮かれているのはごく一部の企業と金持ちだけではないのか。実態の伴わない好景気報道に踊らされないようにすることこそが肝心であろう。
同じ週刊現代で「大研究 ああ、東京大学」という特集をやっている。東大にガリ勉してやっと入った学生が、周りについて行けず苦労している話や、メガバンクに就職したが、東大卒がいない支店に配属されたために、みんなから弄られる若手東大卒の話が出てくる。東大を出たからといって、人生の幸せが保障されているわけではないのはいうまでもないだろう。
昔話で恐縮だが、週刊現代の編集長時代に「犯罪を犯した卒業生の多い大学」ランキングというのをやったら東大がダントツで多かった。公務員になって汚職や収賄で捕まるケースが多いのである。「どこの大学を出た人間が幸せな人生をおくっているのかランキング」というのをやったらどうか。きっとトップは東大や京大ではないと思う。