兵庫県小野市が生活保護受給者のギャンブル禁止条例案を議会に提出し波紋を呼んでいる。生まれ育った故郷という田中大貴アナが市長を直撃すると、返ってきた答えは「当たり前のことを当たり前にやろうというだけなんです」だった。
ソロバンと家庭用刃物の生産で発展し、生活保護受給者の数は兵庫県で2番目に低い。人口5万人の街でどんな事情があったのか。
市長は強気「保護費受け取ってパチスロ直行まずい。保護制度の信頼取り戻す」
市議会に提出された福祉給付制度適正化条例案」には、「給付された金銭を、パチンコ、競輪、競馬、その他の遊戯、遊興、賭博等に費消し、その後の生活の維持、安定向上を図ることができなくなる事態を招いてはならない」「パチンコなどで過剰な浪費を行っている受給者を目撃したら、市民および地域社会の構成員は速やかに市にその情報を提供するものとする」とある。さらに、市民による通報制度に実効をもたせるため、市は通報を受け付け調査する警察OBを中心とした「適正化推進員」を配置、その上部組織として、専門家を集めた「適正化協議会」を設けて違反した受給者を指導するという。
そこで蓬莱市長が条例案を提出したそもそものきっかけが面白い。「昨年秋ごろ(2012年)、市役所内を歩いていると生活保護費が支給される日でザワザワしていた。そのなかで『きょうどこへいく?』『パチスロに行くか』という話が当たり前のように交わされていたんです。これでは生活保護に対する信頼感が薄れるばかり。信頼度を上げなければと思ったんです」と話す。
問題の監視制度については、市長は「監視ではなく『見守り』ということで、論ずるより行動、まずはやってみなはれ」だという。