簡単じゃないTPP交渉参加―先行11か国「後から来る日本の例外認めない」

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   自民党のTPP対策委員会総会が13日夜(2013年3月)に開かれ、反対意見もなく党として交渉参加を容認する決議を採択した。15日に予定されている安倍首相の交渉参加表明を巡っては、党内慎重派が「あまりにも性急過ぎる」と反発して波乱が予想され、時間無制限とされた総会だったが、わずか2時間足らずで終わった。

自民党「聖域認めないなら脱退」それも認められない可能性

   TPP対策委員会の総会決議では、米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の主要5品目と国民皆保険制度については、「聖域の確保を最優先し、それができないと判断した場合は脱退も辞さないものとする」と要求している。当初案では「脱退を辞さない覚悟で交渉に当たる」とされていたのを、「脱退も辞さない」と強気な文言に改められた。

   すでに交渉が進められルール作りが話し合われている中で、後発の日本の要求が通るのか。シンガポールで10日間にわたって開かれた11か国によるTPP交渉会合でも、日本を意識した発言が目立った。「新しい参加交渉国に求めるのは、最終合意が(関税の原則撤廃など)高い水準の自由化でなければならないということです」(アメリカ首席交渉官)、「交渉参加はまとまってきていて、いい勢いできている。新しく交渉参加する国は交渉に前向きに貢献して欲しい」(シンガポール首席交渉官)

超巨大農業国相手に「例外農産品」交渉

   キャスターの小倉智昭「後から参加する日本の要求がすべて通るでしょうかねえ」

   フジテレビ解説委員の大山泰はこう解説する。「5品目の農産品は参加国の中で一番センシティブ(神経質)で、カナダ、豪州、ニュージーランド、アメリカのどこも超巨大農業国です。乳製品などは一番『自由化して欲しい』と圧力がかかる。日本が5品目を例外にしてくれと言って、すんなり11カ国が『どうぞ』と言うことなどあり得ませんよ」

   厳しい交渉が予想されるが、交渉参加を正式表明する安倍がどう立ち向かい、国益を守ることができるのか。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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