14日午前3時過ぎ(2013年3月)、煙突から白い煙が上がり、サンピエトロ大聖堂の鐘が鳴り響いた。5回目の投票で266代ローマ法王に決まったのはアルゼンチン・ブエノスアイレス大司教のベルゴリオ枢機卿(76)だった。欧州以外から新法王が誕生したのは1300年ぶり、米国大陸からは初めてとなる。
「同性愛問題」「マネロン」「聖職者の性的虐待」…と難問山積
新法王はフランチェスコ1世と名乗ることが発表され、白い煙から1時間20分後にサンピエトロ広場に面したバルコニーに姿を現し、集まった群衆に「歓迎して下さってありがという」と挨拶した。
両親はイタリア人で、鉄道会社勤務の父親と専業主婦の母親の間に生まれ、21歳で司祭の道に入り、1997年にブエノスアイレス大司教、2001年には枢機卿に任命された。
この知らせにアルゼンチン国民は「最高だわ!!」と大喜びだった。ただ、新法王には難題が山積している。バチカンでは12日に、背中に「同性愛を認めろ」と書いた上半身裸の女性たちのデモ、ピンクの発煙筒を焚いて教会の男尊女卑に抗議する女性のデモ、聖職者たちの未成年者への性的虐待に抗議するデモが相次いだ。マネーロンダリング疑惑や法王執務室からの機密資料流出など不祥事続きで、新法王がこれにどう向き合っていくか手腕が問われる。
前回コンクラーベでは「次点」
小倉智昭キャスター「12億人のカトリック信者のうち4億8000万人が中南米の信者だから、その中から新法王になっても不思議ではないのかもね。ただ、下馬評には挙がっていなかったんですよね」
笠井信輔アナ「そうなんです。ただ、前回の法王を決めるコンクラーベの際は、ベネディクト16世に次ぐ得票数だったです」
コメンテーターの田中雅子(経営コンサルタント)は「欧州じゃない、別のところの人が新しい風を入れ変革をしていかなければいけない。それが現れているのではないですか」と見ている。