バチカンでは13日(2013年3月)、法王を選出するコンクラーベの2日目が行われ、5回目の投票で決まった。アルゼンチン出身のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿(76)で、全世界のカトリック教徒12億人のトップに座る。第266代法王は「フランチェスコ1世」を名乗る。
スキャンダル続きのバチカンを改革
日本時間の14日午前3時すぎ、システィーナ礼拝堂の一郭にある小さな煙突から白い煙が立ち上った。サンピエトロ広場をぎっしりと埋めた信者から大歓声が上がり、法王誕生を告げる鐘の音が響き渡った。新法王はサンピエトロ大聖堂のバルコニーに姿を見せ、信者の歓声に応え、短い言葉を発したが、内容は伝えられていない。
カトリックの世界はこのところご難続きだ。アメリカでは枢機卿が長年にわたって少年に対する性的虐待の話が出たり、バチカンの極秘文書が流出、内部の勢力争いの類いの話も絶えない。先にベネディクト16世が突然退位を表明したのは健康上の理由とされるが、生前の退位は600年ぶりで、2月末でバチカンを去ったあと 空位が続いたのも異例だ。いずれにしても、これを機にバチカンが新しい時代に入るという期待は信者の間では強かった。
ヨーロッパ以外からは1300年ぶり
ヨーロッパ以外から法王が出るのは1300年ぶりという。中東・北アフリカ出身の法王はいたが、歴史の浅いアメリカ大陸からはむろん初めて。 ローマ法王はイタリア出身者が長いこと続き、1978年にポーランド出身のヨハネ・パウロ2世が選ばれたとき、「イタリア以外は450年ぶり」と話題になった。
カトリックは欧州や北米などで教会離れが進み地盤沈下が著しい。逆に信者の約4割を占める中南米、信者の伸びが大きいアフリカの勢いが強く、 この地域からの法王選出が望まれてもいた。今回のフランチェスコ1世の誕生は、その意味ではカトリックの再生に資することになるかもしれない。
司会のみのもんたは「中南米は一番信者の数が多いんでしょう」とだけ。コンクラーベの煙の儀式や厳しい選挙には興味津々だったが、決まってしまえば、それだけのこと。不信心者ばかりのスタジオではコメントにもならない。