渥美半島沖の海底メタンハイドレートから天然ガス!国内消費の100年分

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   経済産業省はきのう12日(2012年3月)、愛知県渥美半島沖の海底にあるメタンハイドレートから天然ガスを取り出すことに成功したと発表した。海底からガスを採取したのは世界で初めてという。日本近海の推定埋蔵量は国内の天然ガス消費量の約100年分にあたるとみられ、日本のエネルギー確保にうれしいニュースだが、安定供給やコストの面で課題は多い。

「資源を買う国」から「自前で持つ国」に

   メタンハイドレートは「燃える氷」といわれる。メタンと水が結合した物質で、メタンが閉じ込められている氷が溶けるときにガスとして発生する。海洋研究開発機構の探査船「ちきゅう」が、水深1000メートルの海底からさら330メートル掘り下げたメタンハイドレート層から取り出した。この採掘現場だけで国内消費量の約11年分が見込まれるという。

   この成功でどんな可能性があるのか。「世界で初めて。これは画期的なことです」と喜ぶのはある自動車部品メーカーの社長だ。この会社は大手自動車メーカーの委託でガソリン車を天然ガス仕様に改造し、天然ガスの産出国であるタイに輸出している。天然ガス車の需要の拡大ともに売り上げを伸ばしているが、「海底の天然ガスがいよいよ採れることになれば、あとは商業ベースでいかに安くできるかという技術の問題。これからは確実に需要が伸びると思いますよ」と期待を膨らませている。

   独立総合研究所の青山繁晴社長は「資源を買えばいいという国から、資源を自前で持とうとする国に変わる。資源大国への階段をのぼりはじめた可能性が高い」と評価する。

文   一ツ石
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