きのう12日(2013年3月)午後、東京・日比谷公園で開かれた集会は異様な雰囲気だった。揃いのジャンパー姿に、鉢巻きには「TPP参加断固反対」とある。15日にも安倍首相が参加を表明するというので、農業者を中心とした最後のアピールだった。
民主党の前原議員追及「まさか妥協して交渉入りではないでしょうね」
自民党内でも賛否が分かれる。これでおとといマンガみたいな光景もあった。TPP対策委員会の会合で、西川公也委員長(70)があいさつに立つと、尾辻秀久・前参院副議長(72)が「ちょっと待って、座んなさい」。これに西川が「命令調はないでしょ」といったら、いきなり「何が悪い」と怒鳴った。あとはもうむちゃくちゃ。「何だっていうんだ」「何がなんだ」「威張るなよ」「威張ってるのはそっちだろ」「大きな声出して」「そっちが大きな声出したんだろ」「ばかな、出してねぇよ」「出したじゃないか」
要するに、TPP反対の尾辻は「党内に異論があるのになぜ急ぐのだ」といいたいようで、「ここでやるべき話じゃない」「だから…」「静かにしろよ。この野郎。ほんとに」「声を張り上げるなっていったのアンタだろうよ」「おとなしくしてれば…」「それはこっちのせりふだ」
反対派もおかしいが推進派もおかしい。おとといの衆院予算委でTPP交渉を担当していた民主党の前原誠司議員が、米側との自動車、保険でのやり取りをあげて、「これらは本交渉で農業とカードを出し合い交渉する中身だということで妥協はしなかった。まさか妥協して交渉入りではないでしょうね」と念を押した。
安倍首相は「交渉の中身はいちいち出さない。国益を第1に」と答えたが、交渉入り前に交渉内容が新聞に出ている。実におかしな話だし、それをまたしれっと書く新聞も新聞だ。ここは前原のいうのが正論。まして、「交渉参加反対」なんて、交渉とは何なのかすらわかっているとは思えない。