きのう11日(2013年)の北朝鮮・ピョンヤン市内の映像が流れる。共同通信が撮ったものらしいが、バス、トラックに木の葉などで偽装がほどこされていた。それだけじゃない。街には「祖国統一大戦の時がやってきた」「宇宙強国」「核強国」と大書された看板が随所にある。労働新聞は「戦闘動員態勢に入った」として、「この地でかろうじて存在してきた朝鮮休戦協定が完全に白紙化された」と伝えた。
38度線「板門店」南北直通電話も切断
休戦協定が結ばれたのは1953年7月だ。以来、曲折はあっても非武装地帯の遵守など平穏は保たれてきた。それを北が一方的に破棄したのだという。戦闘状態に戻るという意思表示だ。軍事境界線の板門店では、きのうから南北の直通電話を北が切った。きのうから始まった米韓合同の軍事演習「キーリゾルブ」へのけん制だろう。この演習は韓国軍1万人、米軍3500人が参加して21日まで続く。
先週金曜日(8日)の朝鮮中央テレビは金正恩第1書記が西南前線を視察する映像を流した。ナレーションによると、最南端のチャンジェ島とム島を訪れた。小さな屋根もない小型船で島に着くと、兵士たちが駆け寄って腕を天に向かって突き上げて歓迎する。島を離れる時は水の中にまで入って手を振ってお見送りだ。
島には2010年に韓国ヨンピョン島を砲撃した部隊が駐留する。こんな映像を流した意図はそこにある。先の国連制裁決議は内容が強化さ れた。とくに「金・モノ・人」の動きに対するチェックを義務化(従来は要請)した。外交官の監視、現金の持ち込みも含まれる。北には手痛い。制裁に対し、屈しないぞという意思表示の意味もある。
緊張煽って政権の足固め
ただ、制裁後も中朝国境はあまり変化はないという。制裁は中国次第。中国がその気にならなければ、これまで通りしり抜けになる。
司会のみのもん「モノは動いている」
井上貴博アナ「制裁の実効が問題ですね」
杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説・専門記者室長)「ロケットもあるし、核実験もありうる。ヨンピョン島砲撃みたいな可能性だってある。とくに3番目が怖い」
潟永秀一郎(「サンデー毎日」編集長)「軍が緊張を煽っているフシがありますよね。軍の暴発が怖い」