5日(2013年3月)に中国甘粛省で観測された砂嵐が、西日本から北陸まで広範囲に日本列島に到達していた。おととい10日の熊本市内はもやがかかったような状態で、3日連続の黄砂だった。有害微粒子PM2.5の濃度は一時、1立方メートルあたり82マイクログラムと環境基準の2倍以上になった。車に黄砂がへばりつき、子ども病院に来る患者も増えた。ドラッグストアでは1枚400円のマスクが売り切れた。
有毒な硫黄酸化物や鉛などが付着
熊本大の小島知子准教授は9、10日と微粒子を採取した。黄砂も汚染物質もあったが、その量は1日のうちでも大きく変化していた。0.3マイクロメートル という非常に細かい粒子は、10日午前は1リットル中20万個だったが、午後には80万個になった。「0.3マイクロメートルは汚染物質。硫酸塩とかすすの類いですが、黄砂にくっついて飛んできている」という。
鳥取大医学部の大西一成助教は2008年からモンゴル・ゴビ砂漠の黄砂を現地調査している。黄砂の飛来ルートは3つに分類されるという。タイプ1はゴビ砂漠から中国の北側を通ってくる。これは汚染物質は少なく主に黄砂。タイプ2は同じゴビ砂漠だが、中国の工業地帯を通って韓国から日本へ来る。汚染物質が混じった黄砂になる「混合型」だ。タイプ3は中国の黄土高原から重工業地帯を通ってくる「大気汚染型」で、 これが最悪。硫黄酸化物や鉛など汚染物質が多い。電子顕微鏡で見ると、黄砂にPM2.5がくっついていたり、PM2.5と同じくらいの黄砂もあった。
司会のみのもんた「怖いね」
気象予報士の森朗が解説した。冬の間は冷たい高気圧で抑え込まれていた黄砂が、春になって低気圧が発生して砂嵐として舞い上がり、それが偏西風に乗って飛んでくる。ただ、この先しばらくは黄砂はこないという。ピークは4月だ。