あれから2年…風化させたくないあの記憶と恐怖
ニュース映像で遺体の姿は流せない。おそらく、流さないのが正解だとも思う。映画だから取り上げることができたテーマだ。「現実はもっと過酷だ」「しょせん作り物じゃないか」という感想もあるのかもしれない。けれど、テレビも新聞も「生き残った人」を報じるので手いっぱいで、その裏で壊れる寸前まで自分に鞭打った人がいたことは知っておきたい。自身の想像力では埋められない部分がきっとあるはずだ。
震災後、ある小学校の「遺品安置所」を掃除する機会があった。学用品が泥まみれで並べられ、日めくりカレンダーが11日で止まっていた。ブルーシートの汚れがなかなか取れず、遺品のひとつひとつがずっしり重かったことを思い出した。震災から2年。どんどん生の記憶が遠ざかるいま、改めて劇場に足を運びたい。
ばんぶぅ
おススメ度:☆☆☆☆