ガソリン高騰!トリガー条項発動しろ「1リットル160円超えたら特例税率停止」
上昇を続けているガソリン価格も、大幅に下げる方法があるという。「民主党は09年の政権交代の際、『ガソリン暫定税率』の廃止を公約した。鳩山内閣は財源不足で廃止を撤回したものの、かわりに租税特別措置法を改正し、ガソリン小売価格が3か月連続して1リットル=160円を超えた場合は本来の税率に上乗せされている特例税率(1リットル=約25円)を一時停止して価格を引き下げ、1リットル=130円以下に落ち着けば特例税率を復活させるという『トリガー条項(一定の条件の下で引き金=トリガーが引かれるという意味)』を設けた。
この条項は東日本大震災が起きた際、『復興財源が足りない』という理由で財務省が一度も発動しないまま凍結したが、いまや国民は復興増税を負担して財源をまかなっており、政府には13兆円の補正予算を組んで公共事業を大盤振る舞いするだけの余裕がある。
相沢幸悦・埼玉大学経済学部教授は、『いまこそ凍結したトリガー条項を復活させ、価格高騰に歯止めをかけるべきだ』と指摘する」
ガソリン高騰は家計だけではなく、企業のコストにも跳ね返るから、経済活動全体へのマイナスが大きい。それに年金カットも行われる。「政府はこれまでデフレ下でも不況対策として政策的に年金支給額を維持してきたが、財務省や厚労省はそれを『もらいすぎ年金』と批判して今年から大幅減額を決めた。夫婦2人の標準的な厚生年金支給額は現在の月額約23万円が今後3年で約22万5000円へと引き下げられる。月額5000円、年間にすれば約6万円のダウンで、年金生活者にとっては少なくない金額だ。
デフレ(物価下落)が今後も続くのならそれもやむを得ない。しかし、安倍政権はすでにインフレ政策へと転換した。アベノミクスの目標である物価が2%上がれば年金は目減りする。インフレ政策を進めながら、『デフレ期間に払いすぎた年金を返せ』と減額するのは、高齢者にムチ打つ行為ではないか」
パチパチパチ。週刊ポストがんばれと拍手を送りたくなる。
雇用対策で見落とせないのが、厚労省の『雇用調整助成金』制度の見直しであるともいっている。「不況で売り上げがダウンした会社が社員を解雇しないで出向や教育訓練をさせる場合に、国が最高で給料の5分の4を補填する制度で、デフレによる失業者の増大を防いできたとされる。それもこの4月からは助成金額を引き下げるうえ、円高で苦しむ輸出企業などに給付基準を緩和していた『円高特例』が廃止される。
『円安に振れたのだから円高対策はもういらない』という発想だろうが、当然、円安になれば今度は小売り業界など輸入業種が苦境に陥る。しかし、厚労省は『円安特例』は設けない」
週刊ポストはこう結んでいる。「国民にとっての悲劇は、民主党がデフレを前提に増税や社会保障の切り捨て政策のレールを敷き、これから国民負担増が本格化するという段階で、政権交代で登場した安倍政権が負担増にストップを掛けないままインフレ政策に突き進んでいることなのだ。
これから国民がどれだけの負担を負わされるかを列挙すると気が遠くなる」