富める者さらに富むアベノミクス…庶民は値上げ地獄と年金切り下げ
『週刊ポスト』がアベノミクスで浮かれていると大変なことになると「給料が上がらないのにサラリーマンの『値上げ地獄』が始まった」という特集を組んでいる。物価は上がるも給料は上がらず、年金は減らされる「富める者さらに富む」アベノミクスは庶民の生活を地獄に堕とす危険性があることは間違いない。週刊ポストはまず電気料金値上げはおかしいと批判する。
「関西電力と九州電力が4月、東北電力と四国電力が7月の値上げを申請した。関電は11%という大幅アップで、停止中の原発の代替火力の燃料費高騰がその理由だ。
東京電力はいち早く昨年9月に電気料金を大幅値上げしたにもかかわらず、巨額の赤字(経常損益はマイナス1950億円)を出し、来年3月期も1200億円の赤字を見込んでいる。政府は2月に7000億円を支援したが、それでも再値上げは避けられそうにない情勢だ。
東京電力の常務は記者会見(2月6日)で、
『1円円安になると燃料費が年間330億円増加する』そう悲鳴をあげてみせた。しかし、電力会社は『原燃料費調整制度』によって値上げ申請とは別に、燃料価格や為替の変動によるコスト増を毎月自動的に電気料金に転嫁している。4月はこの制度により、電力10社が3月に比べ標準家庭で24~131円値上げする。
ちなみに値上げ幅最大は東電だ。電力会社は為替変動分を価格転嫁しているのだ」
週刊ポストはなぜ大幅値上げが必要なのかを電力会社に聞いてみた。関電広報室はこのように答えている。「原発の再稼働時期が見通せないなか、火力燃料費などの負担が大幅に増加した。効率化や内部留保の取り崩しなどしてきたが、現行の電気料金水準では費用の増加を賄うことが困難となっています」
だが、実際に値上げ申請の資料を調べてみると、そこには燃料調達とは関係がないカネが多額に計上されていたのだ。「本誌は以前、東電、関電などの電力各社が敦賀原発や東海第2原発を保有する日本原子力発電(日本原電)に『発電量ゼロ』にもかかわらず、巨額の『電力購入料』を支払っている問題を報じた(2012年11月16日号)。
電力会社の共同出資で設立され、福島原発事故で引責辞任した『東電のドン』勝俣恒久・前会長が取締役に天下っている会社だ。昨年上半期だけで、東電から277億円、関電から162億円など計757億円を稼働しないでもらっている。
そのおかげで、同社は上半期の中間決算で209億円の過去最高益を上げた。
しかも、東電をはじめ、関電、東北電力は日本原電への支払いを値上げ分の電気料金の原価にそっくり上乗せし、国民に付け回ししている」