PM2・5暫定基準値超えで「注意喚起」発令!熊本ばかりなぜ汚染?

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   熊本県は5日朝(2013年3月)、PM2.5が1立方メートルあたり70マイクログラムの暫定基準値を超えたため、初めて外出を自粛するなどの「注意喚起」を発令した。その発生源である中国の、なかでも汚染最悪の街といわれる河北省の石家荘や「がんの村」の異名を持つ廊妨市二里半村を「トクだね!」が取材した。

大気汚染最悪の中国・石家荘「晴れた日見たことない」と住民

   中国・北京から280キロ離れた石家荘は大気汚染最悪の街といわれている。街中では霞がかかったように先が見えない。PM2.5の最高値は日本の基準の17倍の592マイクログラムというからひどい。住民は「晴れた日を見たことない」「息ができないほどひどい」と訴えるが、そんななかでも工場の煙突からはモクモクと煙が吐き出されている。

   中国でいま深刻なのは大気汚染粒子だけではない。水質汚染も住人を蝕んでいる。河北省廊妨市二里半村ではがん患者が多発し、そうした一帯を中国では「癌症村」と呼び、全国に200か所以上あるという。

   二里半村の住民で、17歳の娘を白血病で亡くした父親は「家の近くにある製鉄工場が出す排水が原因だ。工場を増設したら地下水がすっかり臭くなった。わが家の井戸はその工場に近いんだ」と怒る。当局に地下水の汚染を訴えても改善の兆しはなく、「賠償金ももらえないし、関係者の法的責任を追及する人もいない」という。

阿蘇山系にぶつかって熊本平野に滞留

   日本の話に戻そう。熊本県で最も汚染がひどかった荒尾市では、午前5時に91マイクログラム、7時に101マイクログラム、8時に110マイクログラムと増えた。なぜ福岡県を通り越して熊本県で汚染がひどかったのか。風の動きに関係があるようだ。

   気象予報士の天達武史によると、PM2.5は1000~1500メートル上空の風に乗って運ばれてくるが、この風が阿蘇山系にぶつかって熊本平野に広がり、風が弱かったことからPM2.5が滞留したという。

   産婦人科医の宋美玄が「70マイクログラムという基準値が体に影響を及ぼす根拠はなんでしょう。データはあまりないはずなんですがね」と疑問を呈した。

   これにキャスターの小倉智昭が「ちょっと前までPM2.5といわれて、『えっ、午後2時5分?』という程度の認識しかなかった。日本でもまだよく分かっていない。気を付けなければいけないよということでしょう」

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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