多くの「丸源ビル」を所有し、銀座の不動産王といわれる川本源司郎容疑者(81)がきのう5日(2013年3月)、法人税法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕された。2011年12月までの3年間に約28億円の所得を隠し、約8億6000万円を脱税した疑いだ。
逮捕前日に報道機関の取材を受け、「脱税はない」「大丈夫」「ありえない」「向こう(検察)に聞いて」などと答えていた。
総資産1300億円。家族もなく高級ホテル暮らし
川本は北九州で家業の呉服から貸しビル業に転じて成功した。銀座に進出して一時は70以上のビルを持ち、○に「源」の字のネオンは見慣れたものになっ た。80年代にはハワイやカリフォルニアにまで手をのばし、米「フォーブス」誌にも「総資産1300億円、銀座の不動産王」として載った。
バブルが崩壊した後も生き残ったが、家族もなく高級ホテル暮らしで、運転手付きのリムジンで走り回る生活、次々と会社を潰したり名前を変えたりの経営実態はナゾに包まれていた。秘書もおらず、ほとんど1人で切り回していたらしい。「節税はゲームだ」が口癖だったという。
この逮捕を日本以上に大きく伝えたのはハワイだった。「億万長者のカワモトが脱税容疑で逮捕された」と報じた。多くの物件を所有しているが、 あまり手入れが良くないなど、地元からの苦情がニュースになることもあったという。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト