2020年の夏の五輪招致で国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員の視察が4日(2013年3月)から始まった。猪瀬直樹東京都知事はむろん、安倍首相からアスリートまで総出で応接し、最後は皇太子殿下との面会まで設定されている。
コンパクトが売り物「半径8キロ以内に主要競技施設」
歓迎行事では、安倍が英語で「東京開催は私の生涯の夢だった」と話し、1964年の東京五輪の歌を「まだ覚えている」とアカペラで歌ってみせた。プレゼンテーションはサッカーの澤穗稀選手、東宮御所では皇太子が委員一人ひとりと握手して、言葉を交わした。有明テニスの森(江東区)では猪瀬がテニスをやっていた。相手はパラリンピックのチャンピオンの国枝慎吾選手だ。知事がスマッシュを決めると一斉に拍手が起こった。プロテニスプレーヤーの松岡修造、杉山愛が「あんな人いない。湯気が立ってた。心をつかんでた」とヨイショする。
評価委員がこの日に訪れたのは17か所で、内外メディア127人が後を追う。晴海地区を一望できる39階の高層ビルに会場模型が置かれていた。タブレット端末のカメラを建設予定地の景色に向けると、完成した姿がCGで浮かび上がって見られる工夫があった。東京五輪の売りは選手村を中心に半径8キロ以内に85%の競技施設がある「コンパクト」だ。
司会のみのもんた「夢の島なんかきれいに整地されている。野鳥の森もできる」
井上貴博アナ井上「前回は狭いと指摘された選手村は広くなった。きのうの視察でも交通渋滞がなかった。これも評価基準になります」
三屋裕子(日本バレーボール協会理事・スポーツプロデューサー)「いろんなオリンピック行きましたけど、会場の移動が大変なんです。東京はコンパクトで楽だと思う」
一筋縄ではいかないIOC委員たち
都内にオリンピック招致の垂れ幕や看板が目立つようにもなっている。スカイツリーや東京タワー、都庁などでは五輪ライトアップもある。「朝ズバッ!」が1月に銀座で100人に聞いたところ、賛成76人、反対16人、どちらでもない8人だったが、おとといは、賛成81人、反対7人、どちらでもない12人だった。
評価委員の取材には厳しい規制がかかっていた。報道陣は評価委員などへの直接取材は禁止され、委員もホテルから外出を控えるという。評価委員会というのは、かつてのソウル五輪やソルトレーク五輪でIOC委員への過剰接待が問題になってできたものだ。
みのが「東京招致の本当の狙いは何ですかね?」と冷や水をぶっかけるようなことをいう。三屋が「日本全体が元気になるということでしょう。起爆剤としては最高」
だが、これらはまだ捕らぬタヌキの…にすぎない。点数をつければ東京にかなう都市なんかあるはずがないが、名古屋がソウルに敗れた時だって予想では「名古屋圧倒的に有利」だった。IOC委員という人種も日本人が考えているものとは全然違う。IOCとの戦いは他のどんな外交や折衝とも違う異質の戦いになる。