<世界にひとつのプレイブック>
小気味いいオスカー女優ジェニファー・ローレンス、デ・ニーロらの掛け合い…心病んだ人びとハチャメチャコメディー

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!
(C)2012 SLPTWC Films, LLC. All Rights Reserved.
(C)2012 SLPTWC Films, LLC. All Rights Reserved.

   アカデミー賞8部門にノミネートされ、ジェニファー・ローレンスが主演女優賞を授賞した話題作だ。心に傷を負った人びとが再生していく姿をコミカルに描いた。

   妻の浮気を知り、浮気相手をボコボコにしてしまったことで病院送りになったパット(ブラッドリー・クーパー)は、退院しても裁判所から接近禁止命令が出ているため妻に会うことができない。なんとか妻と縒りを戻したいがかなわず、情緒不安定になってしまう。そんなとき、友人の義妹ステファニー(ジェニファー・ローレンス)と出会う。彼女も夫を事故で亡くし心の均衡がとれずにいた。ヒステリックなステファニーに、パットは自分のことを棚に上げて「クレイジーとののしり嫌っていたが、ひょんなことで二人でダンスコンテストに出場することとなった。パットの目的は立ち直った自分の姿を妻に見せることだった。

泣いたり大喜びしたり暴れ回ったり…

   アカデミー賞の全演技部門にノミネートされていることからも分かるように、この映画の見どころは役者たちの演技合戦である。主演2人の掛け合い、パットの父親のロバート・デ・ニーロ、精神病院で知り合った親友役のクリス・タッカーなど脇を固める俳優たちが、泣いたり喜んだりと実に感情豊かに演じている。アドリブ芝居のような台詞の応酬は小気味良い。

   パットのクレイジーなキャラが次第に伝染するように周りに広がって、「こういう人いるなぁ」と思わせる。なかでもステファニーはいけすかないお嬢さんから見事に愛らしい女性に変わっていく。純粋さでパットを追いかける姿が共感を生むのだろう。

   キャラクターの妙に隠れているが、実は話の展開にかなり無理がある。ダンスコンテストに出場するまでドタバタも、なんだか勢いでごまかしているように見える。ただ、突拍子もない展開がこの映画のおもしろさに繋がっているともいえる。好き嫌いは分かれるかもしれないが、気楽に構えずに見にいくにはいい映画だ。

野崎芳史

おススメ度:☆☆☆☆

姉妹サイト