アメリカのニューヨーク市郊外の住宅街で、先週木曜日(2013年2月21日)未明、道路を横断中の日本人留学生が暴走して来たパトカーにはねられ死亡した。事故後、現場に目撃者や近隣住民が大勢あつまり、運転していた警察官に激しく詰め寄る騒ぎになった。フジテレビのニューヨーク支局の西橋麻衣子ディレクターが一部始終を伝えた。
「サイレンもブレーキの音もしなかった。ただドーンと」
死亡したのは語学学校で英語を学ぶ小山田亮さん(24)で、渡米してまだ3か月だった。シェアハウスしている自宅から100メートルしか離れていない場所で事故は起きた。警察は「まだ捜査段階だ」として詳しい状況の公開を拒んでいるが、複数の目撃者がパトカーの暴走ぶりを話す。
「サイレンもブレーキの音も聞こえなかったわ。ただドーンという音が聞こえただけ」
「彼は通り沿いのコンビニから出てきた。そこへフルスピードで走ってきたパトカーがぶつかり、彼は空中に飛んで地面に落ちたんだ。パトカーは止まり切れずにそのまま走り続け、Uターンしてきた」
「サイレンを鳴らさずに猛スピードで走ってきた。サイレンを聞けば彼は道路を渡らなかったわ」
ニューヨーク支局は目撃者が撮影した事故直後の現場映像を入手した。道路上には布をかけたれた遺体が置かれ、集まったパトカーは約10台。深夜にもかかわらず、多くの近隣住民が駆けつけた。目撃した男性が、この映像を撮影しながら大声で怒鳴っていた。「あいつが殺したんだ」「こんなの見たことない。頭が割れているじゃないか、いったいどれだけスピードを出していたんだよ」「お前が殺したんだ」
警察は防犯カメラ映像の公開拒否「赤色灯は点けてた」
それにしても、なぜ目撃者がこれほど騒ぐのか。ある一人が「あの警官はいつも猛スピードを出して危険な運転をしてた。みんな頭にきているんだ」
近隣住民やマスコミが事故の説明を求めたが、警察は「防犯カメラにサイレンの音声は入っていなかったものの、赤色灯は点灯していた」と話すだけだ。その赤色灯についても、事故現場の前に住む住民は「赤色灯が点いていれば、必ず部屋に反射し気付くはずだ」と警察の説明を否定している。そもそも警察は防犯カメラ映像の公開を拒んでいる留学生の父親は同じことを繰り返さないために、また真実を明らかにするために裁判の準備を進めるという。
キャスターの小倉智昭「あそこまで騒ぐのは、やはり警察のパトカーだったことや警察に対する市民感情があるのでしょうね」
コメンテーターのショーン・マクアードル川上(経営コンサルタント)は「警察による横暴に近いやり過ぎの取り締りがあり、その結果なんです。住民にものすごい不満がくすぶっているのはあったかもしれないですね」という。