安倍首相はきのう28日(2013年2月)午後、衆参両院で施政方針演説を行った。「強い経済を取り戻す」と成長戦略を前面に掲げ、第1次の時の「美しい国」に代わって、「世界一」を連発した。
冒頭、福沢諭吉の「学問のすすめ」から「一身独立して一国独立する」を引いて、「強い日本をつくるのは私たち自身です。日本はまだまだ成長できると確信しています。いまこそ世界一を目指していこうじゃありませんか」「世界一を目指すのは働く意欲のある人たちの給料を増やすため」「世界一安心で安全な国をつくる」といった調子だった。
3党合意の解散条件・だった「今国会で結論」にも触れず
TPPでは「政府の責任において判断する」と参加に意欲を示し、原発は「できる限り依存度を低減」するが、「安全が確認された原発は再稼働する」。外交では日米同盟の復活・強化に自信をみせ、中国には自制を求める一方で、「対話のドアは常にオープンです」。北朝鮮には「核実験は許せない」と厳しい言葉をぶつけ、拉致問題の解決を迫った。
そして、持論の憲法改正にもやんわりと言及した。懸案の議員定数の削減、選挙制度の見直しについては、「建設的な議論から結果を出していくことが課せられた使命だ」と与野党の協力を求めたが、3党合意の「今国会で」という点には触れなかった。
演説は40分だったが、テーマでいうと「経済成長」に12分、「暮らしの不安に応える政治」7分、「外交・安保」7分、「いまそこにある危機」3分41秒、「復興の加速」2分49秒などなど。「議員定数・選挙制度」はわずか11秒だった。
「いったん現職になっちゃうとみんなやらない」
司会のみのもんた「議員定数削減と選挙制度見直しは3党合意で今国会終了までに結論となっている。首相の本気度はどうなんでしょうか」
与良正男(毎日新聞論説委員)は「ウソつきの公算大」というフリップを出して、「ほとんどできないというのを前提に時間稼ぎとしか思えない」という。みのが「じゃあ、これは何だったの?」と3党合意の文面を出す。柿崎明二(共同通信編集委員)は「選挙をやるため。うそつきになる」と出したフリップは「?」
みの「ありゃ」
与良「どこから減らすのか、比例からいくのか、それとも選挙制度を変えるか。1票の格差ですらできないで、無理だと思う。いったん現職になっちゃうとみんなやらない」
柿崎「むずかしいのは、自民と民主より、自民と公明の方が差が大きいことです。与党内でまとまらないのに国会でまとまるとは思えない」
みの「そうすると、国民の大英断が必要になるかな」
柿崎「7月には参院選がありますがね」
その他の印象では、与良は「世界一の連発」「安倍カラー」「消費増税が一言も出ない」をあげた。
柿崎「憲法改正は何をやるかを言ってない。説明不足」
与良「TPPでは農業をどうするかを言わないと…」
尾崎弘之(東京工科大教授)「アメリカも調整がついてないので、施政方針では言わないでくれという要請があったともいう」
みのは「じっくりと見ていきましょう」と締めくくったが、国民としてはそれ以外にどうしようもない。