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「パソコン遠隔操作事件」捜査当局は「猫に首輪」の映像持ってない?

   『AERA』と週刊現代が、パソコンの遠隔操作事件で威力業務妨害の疑いで逮捕された片山祐輔容疑者(30)が真犯人ではない可能性があると書いている。現代は魚住昭と青木理の対談なので、AERAを見てみよう。

   片山の弁護を務める佐藤博史は足利事件で菅谷利和の弁護を担当し、冤罪を晴らした人物である。佐藤弁護士は警察は決定的な証拠があるといっていたが、本当にあるのか疑問だというのだ。これは1月3日に江ノ島で片山が映っていたという防犯カメラの映像のことだ。当初、実際に片山がネコに首輪を付けている映像があると報じられたが、そうした決定的な場面を警察は持っていないのではないかというのである。

   もちろん、映像を警察や検察がすぐに証拠開示する必然性はないのだが、片山は江ノ島へ行きネコに触りスマートフォンで写真を撮ったことは認めているが、肝心のネコに首輪を付けたかという質問には「つけてない」と答えている。また、遠隔操作ウイルス「iesys.exe(アイシス・エグゼ)」に使われたプログラミング言語「C♯」を片山は「自分は使えない」と話しているというのである。

   これが本当なら根底からこの捜査は崩れる。彼が勤務していたIT関連会社の社長は、片山が「C♯」を使ったことはあるが、ウイルスの設計コードをいじるほどのレベルではないのではないかといっている。

   4人の冤罪者を出したこの事件。もし今度もまた犯人を間違えたなら、魚住・青木両氏がいっているように「刑事も記者も全員クビです」な。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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