エジプト気球「人為的ミス」パイロットだけの責任か?2年前にも船に激突

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   エジプトの観光地ルクソールで日本人4人が亡くなった熱気球の炎上・爆発事故は、エジプト政府関係者や目撃者の話を総合すると、事故が起きたのは「熱気球が遊覧飛行を終え、地上5メートルほどの高さまで降下し着地の準備作業に入るときだった」(マーダウイ民間航空相)という。

ロープ引っかかってガスホース破損

   着陸は操縦士が気球からロープを投げ、地上にいる5、6人のスタッフがそれを引っ張り気球を下げるのだが、そのロープがガスボンベとバーナーを繋ぐホースに絡んでホースが外れたか、切れたかして漏れたガスに引火し炎上したらしい。そのときの火災で飛ばされたのか逃げたのかは不明だが、操縦士が真っ先に飛び降り、続けてイギリス人男性が飛び降りた。このため気球は軽くなり、火災の影響もあって「再び上昇し始め、何人もの人が落ちるのが見えた」(目撃者)という。

   操縦していたモーメン・ムラド操縦士(28)は重度のヤケドで入院中で、現在事情を聞けない状態という。同僚の話では経験豊富で優秀な操縦士だった。

   病院で治療中のイギリス人男性客は事故の模様をこう語っている。「炎上しながら15メートルほど上昇したところで吹き飛ばされた。ゴンドラに妻と子どもを残したまま地上に落下した」

航空当局「操縦士はやるべきことをやらなかった」

   地元紙は初期調査を行った航空当局筋の話として、「操縦士の人為的ミス」を指摘している。理由として「ボンベからガスを送るホースが破裂した際に、操縦士はガス栓を閉めることができたにもかかわらず、それをしなかった」という指摘をしている。

   バルーンカンパニーの藤田昌彦社長も、「ガスが噴出した瞬間にバブルを止めればガスは止まるので大きな火災にならなかった。バスケット(かご)のロープを引けば天井部分のバブルが開いて空気が抜け、降りることもできた。方法はいくらでもあったのに、それをしなかった完全なパイロットの過失だ」と見ている。

   操縦士が所属しているスカイクルーズ社は、2年前にも着地に失敗してナイル川に着水したあと、停泊中の船に激突する事故を起こしていた。キャスターの小倉智昭は「だけど、気球が一気に上昇したときに、バスケットに乗っていた人たちはどうしたらいいのか分からない、考える余裕もなく上に持っていかれて地上に落下していったわけでしょう」と溜息をついた。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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