TPP庶民のメリットデメリット「先端医療受けられるが高額」「食品安くなるが残留農薬」

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   国論を二分してきたTPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加問題が具体的に動き出した。安倍晋三首相はオバマ米大統領との会談で「聖域なき関税撤廃が前提条件でないことが確認された」として、きのう25日(2013年2月)の自民党役員会で今後の対応について一任を取り付けた。近日中にも交渉参加を正式に表明する方針だ。

   TPP参加によって、どんなメリット、デメリットがあるのか、けさ26日の「モーニングバード!」が改めて取り上げた。

「国民皆保険崩壊」「怖い食べ物どんどん入ってくる」

   リポーターの所太郎がTTP参加によって関税撤廃された場合、とくに問題になっている医療・保険と食品の分野について、「いい面」「悪い面」を表にまとめて説明する。

「医療・保険分野については、いい面は最先端医療が受けやすくなるという点です。これはアメリカが求めている混合診療が解禁になるということですが、その分お金もかかり、医療の格差が出てくる心配があります。ひいては国民皆保険の崩壊につながるのではないかという懸念があります」
「食べ物の面では、安い食べ物が入ってくることは歓迎なんですが、残留農薬や遺伝子組み換え食品の表示がなくなる可能性があるなど、不安も払拭しきれません」

   司会の羽鳥慎一「食べ物の安全性に関してはちょっと怖いですよね」。コメンテーターの宮田佳代子(城西国際大学非常勤講師)は「これまで1000円で買えたものが600円で買えることはいいことですが、残留農薬などTPPの新しい基準はおそらく甘くなってしまうのではないでしょうか」と心配する。

政府の情報・説明に不信感

   羽鳥「医療の面でも、お金ある人はいいですけど、不安に思う人も出てきますね」

   コメンテ―ターの舞の海秀平(スポーツキャスター)は「これ以上広がっていくと、風邪引くのも怖くなりますね。ただ、食べ物についてですが、TPPを機会に、日本の物はおいしくて安全だともう一度見直すいい機会になるとも考えられます」と指摘する。舘野晴彦(月刊『ゲーテ』編集長)は「医療の面でも、先端のものが入ってこなかったり、手術が受けられなかったり、いろいろ苦しんでいる患者さんはいっぱいいる。そこのところはうまくバランスをとってほしい」とプラス面にも目を向ける。

   たしかに、TPP参加によって日本の農業が壊滅するとか、国民皆保険制度が崩壊するとか、極端な見方もあるが、そうでないという意見もある。本当のところはどうなのか。舞の海秀平も「誰かくわしく説明してくれないかなと思いますよねえ」という。

   第一生命経済研究所・首席エコノミストの嶌峰義清氏は「政府が適切な情報を出していく。つまり、安心だというだけでなく、どういうふうに物を選べばいいのか、それをきちっと説明することが重要です」といっていたが、それには政府の情報や説明が安心して信用できるという信頼性が大前提だ。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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